きこりの森林・林業の教科書
⑧林業経営を始めよう

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苗木調達の仕組み:種子の確保

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種子の採取

樹種 扱い方
スギ 球果は成熟するとともに含水率が低下し,濃緑色から茶褐色へと変色し,鱗片が開いて球果の中から種子が飛散します。このため,種子を採取するには飛散してからでは遅いので,球果の鱗片が開く前に球果のまま採取する。
種子採取については9月20日以降。
2~4年に一度凶作
ヒノキ 球果は成熟するとともに含水率が低下し,濃緑色から茶褐色へと変色し,鱗片が開いて球果の中から種子が飛散します。このため,種子を採取するには飛散してからでは遅いので,球果の鱗片が開く前に球果のまま採取する。
種子採取については9月20日以降。
2~4年に一度凶作
クロマツ
アカマツ
球果は成熟するとともに含水率が低下し,濃緑色から茶褐色へと変色し,鱗片が開いて球果の中から種子が飛散します。このため,種子を採取するには飛散してからでは遅いので,球果の鱗片が開く前に球果のまま採取する。
種子採取については9月20日以降。
カラマツ 採取期の前には、十分に採取準備をし、毎日よく観察することが大切
9月から10月頃にかけて成熟しますので、成熟する直前を見計らって,なるべく枝を痛めないように剪定バサミや高枝切バサミを使って球果を採取する。
断幹処理をして樹高を低くし下枝を多く張らせ、球果採取作業が容易な仕立てにする。
ウラジロモミ 採取期の前には、十分に採取準備をし、毎日よく観察することが大切
9月から10月頃にかけて成熟しますので、成熟する直前を見計らって,なるべく枝を痛めないように剪定バサミや高枝切バサミを使って球果を採取する。
トウヒ 採取期の前には、十分に採取準備をし、毎日よく観察することが大切
9月から10月頃にかけて成熟しますので、成熟する直前を見計らって,なるべく枝を痛めないように剪定バサミや高枝切バサミを使って球果を採取する。
円錐形の樹冠上部に多数の球果を着けるため,長いハシゴを使って球果採取を行う。断幹処理は、行わないこと。下部には着果しない。
シラベ 採取期の前には、十分に採取準備をし、毎日よく観察することが大切
9月から10月頃にかけて成熟しますので、成熟する直前を見計らって,なるべく枝を痛めないように剪定バサミや高枝切バサミを使って球果を採取する。

円錐形の樹冠上部に多数の球果を着けるため,長いハシゴを使って球果採取を行う。断幹処理は、行わないこと。下部には着果しない。
ヤツガタケトウヒ 採取期の前には、十分に採取準備をし、毎日よく観察することが大切
9月から10月頃にかけて成熟しますので、成熟する直前を見計らって,なるべく枝を痛めないように剪定バサミや高枝切バサミを使って球果を採取する。
円錐形の樹冠上部に多数の球果を着けるため,長いハシゴを使って球果採取を行う。断幹処理は、行わないこと。下部には着果しない。
ヒメマツハダ 採取期の前には、十分に採取準備をし、毎日よく観察することが大切
9月から10月頃にかけて成熟しますので、成熟する直前を見計らって,なるべく枝を痛めないように剪定バサミや高枝切バサミを使って球果を採取する。
チョウセンゴヨウ 採取期の前には、十分に採取準備をし、毎日よく観察することが大切
9月から10月頃にかけて成熟しますので、成熟する直前を見計らって,なるべく枝を痛めないように剪定バサミや高枝切バサミを使って球果を採取する。
樹冠上部から下部まで比較的均一に着果する。
ヒメコマツ 採取期の前には、十分に採取準備をし、毎日よく観察することが大切
9月から10月頃にかけて成熟しますので、成熟する直前を見計らって,なるべく枝を痛めないように剪定バサミや高枝切バサミを使って球果を採取する。
樹冠上部から下部まで比較的均一に着果する。
トドマツ 球果が上向きにつき,完熟すると軸を残して飛散するので,採種時期には留意する必要がある。
エゾマツ 球果(雌花)は初期には上向きで、成熟すると下垂する。樹冠,中部上に着果するが、豊作年にはかなり下まで着果する。
球果は、円柱形ないし長楕円型で、径が0.8~2.7cm,長さは2.2~8.1cmとやはり産地・系統でばらつきが大きい。
種子は成熟期がトドマツより遅く(7~15日)、採種時期も9月10日以降
アカエゾマツ 球果(雌花)は初期には上向きで、成熟すると下垂する。樹冠,中部上に着果するが、豊作年にはかなり下まで着果する。
球果は、形状もほぼ同じで、円柱形ないしは長楕円形ですが、その大きさは径が1.5~1.9cm、長さは5.2~7.4cm
種子は成熟期がトドマツより遅く(7~15日)、採種時期も9月10日以降
ブナ 不規則な周期で花が咲く。このような結実特性は、グラフにするとヨットのマストのようになるため、マスティング(masting)と言う。
3~8年に1回といわれている豊作年に、、採種個体樹下にトラップを設置し、採種する。
秋になり種が成熟すると,殻斗が裂開し,種は自然に散布される。
イヌブナ 1~2年おきにほぼ採種できない凶作年がある。
豊作年に、、採種個体樹下にトラップを設置し、採種する。
ミズナラ 落下直後の堅果は散布前にシギゾウムシ類や葉巻が類の食害を受けることが多く、種子生産が多くても発芽する個体は多くない。
年による豊凶の差は少ない。
夏に堅果を確認し、採種個体の樹下にトラップを設置する。地上に落下した堅果の場合はなるだけ新鮮な重いものを採取する。
コナラ 夏に堅果を確認しておき、採種個体の樹下にトラップを設置する。
落下直前の堅果を採取しても発芽するが、落下して乾いている(白っぽい)と発芽しない。新鮮な重いものを採取する。
植栽地に近い天然林から選ぶ。
ケヤキ 落下直後、あるいは落葉期に着花短枝(遅くまで葉が残る枝)ごと採取する。
山間地域に散在する複数の天然林のできるだけ多くの個体から種子を集める。
イタヤカエデ 比較的集団が小さく他樹種と混交するので、複数の集団から採種する。
乾燥に弱いので翅果が灰から茶褐色になった頃に枝ごと採取する。
アラカシ なるべく地面に落ちてから間もないドングリを採る。
この時、茶色に熟したドングリを選ぶ。
コナラ なるべく地面に落ちてから間もないドングリを採る。
この時、茶色に熟したドングリを選ぶ。
ヒサカキ 枝についている実、または地面に落ちた実を採る。
黒く熟したものを選ぶ。
水に1~2週間漬け、ふやけさせる。※水は毎日取り替える。
モチノキ 枝についている実、または地面に落ちた実を採る。
赤く熟したものを選ぶ。
水に1~2週間漬け、ふやけさせる。※水は毎日取り替える。
ソヨゴ 枝についている実、または地面に落ちた実を採る。
赤く熟したものを選ぶ。
水に1~2週間漬け、ふやけさせる。※水は毎日取り替える。
カクレミノ 枝についている実、または地面に落ちた実を採る。
黒く熟したものを選ぶ。
水に1~2週間漬け、ふやけさせる。※水は毎日取り替える。
リョウブ 枝についている実、または地面に落ちた実を採る。
実の表面が割れて、熟した種子を選ぶ。
ネジキ 枝についている実、または地面に落ちた実を採る。
実の表面が割れて、熟した種子を選ぶ。
シャシャンボ 枝についている実、または地面に落ちた実を採る。
黒く熟したものを選ぶ。
水に1~2週間漬け、ふやけさせる。※水は毎日取り替える。





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