きこりの森林・林業の教科書
⑧林業経営を始めよう

はじめに 樹種の種類 苗木から植栽 植栽から保育 間伐から主伐 伐採・搬出 林道管理 安全対策 レクリエーションの森 メモ
育種の考え
苗木調達の仕組み
 苗木栽培、植栽
 種子の確保
 苗木作り
 植栽間隔
 下草刈り
 除伐、
 蔓切り
 間伐
 主伐
 密度管理
 複層林
林業機械  林道の必要性
 路網密度
 林道の規格
伐採、更新、保育 補助の仕組み

苗木調達の仕組み:種子の確保

種子の採取 採種園の作り方 種子の球果の乾燥 種子の精選 種子の貯蔵 結実促進処理 発芽処理 発芽率 種子の移動 歴史 メモ
種子の貯蔵

精選した種子は,発芽検定を行い計量し,機密性の高い容器に乾燥剤を入れ,樹種名,系統名,保存月日などを記入したラベルを貼り,冷蔵庫で保存します

乾燥剤は小さい容器の場合シリカゲルなどを使いますが,大きな容器の場合には消石灰をビニール袋(少し破く)に入れたものを乾燥剤代わりに使用しています


貯蔵に最適な温度は樹種により違いはありますが,4樹種とも乾燥・密封・低温の条件を満たすと長期保存が可能なこと,樹種ごとに温度を変えるのは困難ということから-10℃の冷凍庫で保管しています

樹種 扱い方
スギ 5~6年でも発芽率が落ちない。
ポリ袋に入れ冷暗処に貯蔵。
ヒノキ 5~6年でも発芽率が落ちない。
ポリ袋に入れ冷暗処に貯蔵。
クロマツ
アカマツ
ポリ袋に入れ冷暗処に貯蔵。
カラマツ 5~6年でも発芽率が落ちない
ウラジロモミ
トウヒ
シラベ
ヤツガタケトウヒ
ヒメマツハダ
チョウセンゴヨウ
ヒメコマツ
トドマツ 含水率10%、0~-5℃で保存
発芽率20~35%
エゾマツ 含水率10%、0~-5℃で保存
発芽率20~35%
コウヤマキ ポリ袋に入れ冷暗処、土中埋蔵、冷蔵庫(5℃)で貯蔵
ブナ 含水率を下げて冷凍保存することで一定の年数貯蔵が可能
液体窒素で保管
ケヤキ 豊作年の種子を風乾後に密閉容器へ入れて0~4℃で低温保存する。
ツバキ ポリ袋に入れ冷暗処、土中埋蔵、冷蔵庫(5℃)で貯蔵
サザンカ ポリ袋に入れ冷暗処、土中埋蔵、冷蔵庫(5℃)で貯蔵
シラカシ ポリ袋に入れ冷暗処、土中埋蔵、冷蔵庫(5℃)で貯蔵
スダジイ ポリ袋に入れ冷暗処、土中埋蔵、冷蔵庫(5℃)で貯蔵
モチノキ × すぐに播種すること。
ポリ袋に入れ冷暗処、土中埋蔵、冷蔵庫(5℃)で貯蔵
モッコク ポリ袋に入れ冷暗処、土中埋蔵、冷蔵庫(5℃)で貯蔵
コブシ ポリ袋に入れ冷暗処、土中埋蔵、冷蔵庫(5℃)で貯蔵
センダン ポリ袋に入れ冷暗処、土中埋蔵、冷蔵庫(5℃)で貯蔵
ヤマモミジ ポリ袋に入れ冷暗処、土中埋蔵、冷蔵庫(5℃)で貯蔵
シデ ポリ袋に入れ冷暗処、土中埋蔵、冷蔵庫(5℃)で貯蔵
ツツジ類 ポリ袋に入れ冷暗処で貯蔵
ナツハゼ ポリ袋に入れ冷暗処、冷蔵庫(5℃)で貯蔵
イチョウ ポリ袋に入れ冷暗処、土中埋蔵、冷蔵庫(5℃)で貯蔵
アラカシ × すぐに播種すること。
数日後に播種する場合は水を含ませた布を密封袋に一緒に入れて、冷蔵保存
コナラ × すぐに播種すること。
数日後に播種する場合は水を含ませた布を密封袋に一緒に入れて、冷蔵保存
アベマキ × すぐに播種すること。
数日後に播種する場合は水を含ませた布を密封袋に一緒に入れて、冷蔵保存
ヒサカキ × すぐに播種すること。
ソヨゴ × すぐに播種すること。
カクレミノ × すぐに播種すること。
シャシャンボ × すぐに播種すること。

recalcitrant種子とは,乾燥すると死滅してしまい貯蔵が困難な種子
orthodox種子とは,低温下で低い含水率を維持することによって貯蔵が可能な種子

recalcitrant種子
難保存性種子
orthodox種子
保存性種子

結実促進処理




きこりの森林・林業の教科書

By きこりのホームページ