きこりの森林・林業の教科書
⑧林業経営を始めよう

はじめに 樹種の種類 苗木から植栽 植栽から保育 間伐から主伐 伐採・搬出 林道管理 安全対策 レクリエーションの森 メモ
樹種の種類
林業における造林樹種

(1)造林樹種に求められる要件とは、
 ①造林の目的に合致すること。
  造林の目的とは、どのような機能の発揮を期待するか。
  造林の目的が木材生産であれば、生産目標に合致すること。
 ②造林地の立地に適合すること。
  造林する場所が決まっている場合、その場所に適する樹種を選択すること。
  目的樹種が決まっているなら、その樹種に適した場所を探すこと。

(2)代表的な造林樹種

  針葉樹 広葉樹 
日本 スギ
ヒノキ
カラマツ
アカマツ
トドマツ
エゾマツ 
ケヤキ
キリ
クヌギ
フィンランド 欧州アカマツ(Pinus silvestris)
ドイツトウヒ(Picea abies)
白樺(Betulapendula)
白樺(Betula pendula)
ドイツ 欧州アカマツ(Pinus silvestris)
ドイツトウヒ(Picea abies)
フランス ベイマツ(Pseudotsuga menziesii)
フランス海岸松(Pinus pinaster)
カシワ
ブナ
 
 
 
NZ ラジアータパイン



林業樹種の特性

樹木名 学名・英名 特性
針葉樹 モミ
Abies firma 本州の中南部から四国、九州、さらに屋久島まで分布
かつて東京近辺には、墓前に供える卒塔婆に利用するため、植林。また、白木のままで清浄な感じの木材が神聖な感じを与える理由で、棺や、冠婚葬祭に関連した道具類に利用。
臭いがあまりないため、かまぼこ板に利用。
特性表
気乾比重 平均収縮率(%) 強さ(MPa) 曲げヤング係数
(GPa)
柾目方向 板目方向 曲げ 圧縮 せん断
0.44 0.10~0.13 0.21~0.26 58.9~82.4 30.5~43.1 6.5~9.3 7.5~10.3
ウラジロモミ
裏白樅
Abies homolepis 高い山に生育する針葉樹の高木。
紀伊半島や四国にだけ分布。
標高としては、モミ<ウラジロモミ<シラビソの順
オオシラビソ
アオモリトドマツ
大白檜曽
Abies mariesii 本州中部以北に分布。
北限は青森県八甲田山(前岳)
蔵王の樹氷の木で有名。
トドマツ
アカトドマツ
椴松
フップ
Abies sachalinensis
Todo fir
Sakhalin fir
海岸近くから高標高まで分布し,多くは広葉樹やエゾマツなどと混交林となる。高さ30m、太さ60cm
建築材,パルプ材が主体。
かつては、魚箱、卒塔婆、棺に利用。
特性表
気乾比重 平均収縮率(%) 強さ(MPa) 曲げヤング係数
(GPa)
柾目方向 板目方向 曲げ 圧縮 せん断
0.4 0.35 0.14 64 32 6.4 7.8
シラビソ
シラベ
リュウセン
白檜曽
Abies veitchii
カラマツ
アカエゾマツ
エゾマツ
トウヒ
ハリモミ
アカマツ
クロマツ
リュウキュウマツ
ヒメコマツ
(ゴヨウマツ)
トガサワラ
コメツガ
ツガ
スギ
コウヤマキ
ヒノキ
サワラ
クロベ
(ネズコ)
アスナロ
イヌマキ
ナギ
イチイ
カヤ
広葉樹
ヤマモモ
オニグルミ
サワグルミ
ドロノキ
ヤマナラシ
ハンノキ
ミズメ
シラカンバ
アカシデ
アカガシ
アラカシ
シラカシ
ウラジロガシ
イチイガシ
ウバメガシ
クヌギ
ミズナラ
コナラ
クリ
ツブラジイ
(コジイ)
スダジイ
(イタジイ)
マテバシイ
ブナ
ケヤキ
外国産





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