島根県の事例(平成2年度 造林用苗木 育苗ごよみ)を基に、アレンジ中
必要なこと
気象情報(月毎)
【1月】
作業名 |
時期・内容・要領 |
注意事項 |
計画の樹立 |
樹種別・苗齢別生産計画、苗畑使用計画、必要諸資材・労務等の算出、施肥設計 |
育苗標準例
施肥設計例(蒔付床・1回床替床) |
材料の準備・手配 |
種子、現苗、肥料、薬剤、その他材料の準備または確保のための手配をする。 |
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機械器具の点検・整備 |
修理は早めに行う。 |
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機材の新調・修理 |
竹簀、葦簀の編み替え、新調。
寒冷紗、ダイオネット等の補修
梱包用のコモ編み、製縄など |
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雪害対策 |
越冬苗木に足しては、根雪前消毒
苗畑排水溝の設置
採種台木には支柱立て・枝条の巻締め |
雪害対策 |
寒害対策 |
寒害の恐れのある苗畑では、防寒施設をする。
霜柱被害の事後対策として、踏みつけ、土入れ、植え直しをする。 |
凍害・寒害対策 |
幼苗の掘取り・選苗 |
沿岸部など雪のないところでは実施する。
選苗は形質不良苗、規格外苗を厳選除外し、規格別に類別するほか、できるれば適宜苗長階別に仕分けする。
千秒後は、入念な土仮植をするか、適切な場所に床替時期まで貯蔵する。 |
根は長さ10cm程度に切り揃える。
土仮植は苗木を薄く並べ、根と土を密着させる。
貯蔵法(幼苗) |
観測地 |
平均気温
(℃) |
最高気温
平均気温 |
最低気温
平均気温 |
湿度
(%)
|
降水量
(mm) |
日照時間
(h)
|
積雪日数
(日) |
最深積雪
(cm)
|
降水日数
(日) |
XX市 |
3.8 |
16.2
6.8 |
-6.8
0.3 |
72 |
168.5 |
76.5 |
14.3 |
89 |
20 |
苗畑 |
5.4 |
19.8
8.5 |
-11.5
1.2 |
76 |
112.8 |
78.2 |
8.6 |
33 |
21 |
霜日数 ○日 最晩積雪初日 1月▲日 |
【2月】
作業名 |
時期・内容・要領 |
注意事項 |
計画の樹立 |
1月に引き続き実施し、遅くとも今月中には完了する。 |
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幼苗の掘取り・選苗 |
雪の少ない地方では1月に引き続き実施、山間部でも雪が消え次第逐次実施する。 |
1月と同じ |
苗畑の耕耘 |
雪の無いところでは土壌の乾き気味の時に耕耘し、同時に有機物を鋤込む。 |
耕耘時又は床作りにの際に、ネキリムシ防除薬剤を鋤込む。 |
霜柱対策 |
霜柱のため苗木が抜けたり、根が浮いたりした苗木は被害状況に応じて、踏みつけ、土入れ、植え直しをする。 |
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床替 |
下旬になり寒さが和らげれば、床替えに着手する。
着手の順序は生育の始まりの早いマツから行う。 |
床替適期基準
育成開始温度
・スギ 13~14℃
・ヒノキ 12~13℃
・アカマツ 4~5℃ |
(積雪がある場合)
雪消しと排水 |
積雪金が長引く場合、積雪したに苗木がある場所では雪消しを行う。
また、融雪時に苗畑の排水を図る。
消雪の促進には、木炭粉末、木灰、焼き籾殻、黒土等を薄く表面に散布するほか、雪面畝立て、黒色寒冷紗の雪面被覆などがある。 |
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観測地 |
平均気温
(℃) |
最高気温
平均気温 |
最低気温
平均気温 |
湿度
(%)
|
降水量
(mm) |
日照時間
(h)
|
積雪日数
(日) |
最深積雪
(cm)
|
降水日数
(日) |
XX市 |
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苗畑 |
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霜日数 ○日 最早積雪終日 2月▲日 |
A県の床替適期基準(一例)
樹種 |
山陰道 |
島嶼部 |
海岸部 |
中山間部 |
奥山間部 |
スギ・ヒノキ |
3月中旬~4月上旬 |
3月下旬~4月中旬 |
4月上旬~4月中旬 |
3月下旬~4月中旬 |
アカマツ・クロマツ |
3月上旬~3月下旬 |
3月中旬~4月上旬 |
3月下旬~4月上旬 |
3月中旬~4月上旬 |
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【3月】
作業名 |
時期・内容・要領 |
注意事項 |
幼苗の掘取り・選苗 |
遅くとも生育開始時期までに掘取りを終える。 |
晩霜害を防ぐにも早い方が良い。 |
床替 |
マツ→スギ→ヒノキの順で行う。
霜柱が立つ危険があるので、霜柱の酷いところでは苗間に敷き藁をして被害を防ぐ。 |
マツは芽の活動が早いので、今月中に床替えを終了する。 |
種の保管 |
受け取った種子は、蒔き付けまでの間、乾燥した冷暗所に保管する。
例えば。北側の納屋、地下室など |
容器は吸湿しにくく、ネズミの害を受けない物を使う。 |
蒔き付け床の準備 |
4月上旬には種蒔きの時期となるので、3月下旬には蒔き付け床を準備する。
予め土壌線虫と立枯病防除のための土壌消毒を行っておく。
ネキリムシ駆除のため殺虫剤を施す。 |
NCS、ドロクロール、ドジョウピクリンなどの処理をする場合は、温度と効果の関係を考慮して行う。 |
挿し木 |
スギ、ヒノキ等の挿し木は、下旬始めに行う。
インドール酪酸を用いた発根促進は友好。 |
品種、発根促進法 |
消雪の促進 |
雪が残ってる場合は、消雪を促進する。 |
融雪時の排水に留意する。 |
山行苗の掘取り・出荷 |
春出し山行苗の掘取り・選苗・荷造りは、苗木の需要に応じて速やかに行う。 |
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観測地 |
平均気温
(℃) |
最高気温
平均気温 |
最低気温
平均気温 |
湿度
(%)
|
降水量
(mm) |
日照時間
(h)
|
積雪日数
(日) |
最深積雪
(cm)
|
降水日数
(日) |
XX市 |
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苗畑 |
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霜日数 ○日
降雪終日 平均3月●日 最早 3月□日 最晩 4月■日
積雪終日 平均3月▲日 最早 2月★日 最晩 3月◆日 |
【4月】
作業名 |
時期・内容・要領 |
注意事項 |
床替 |
スギ、ヒノキの床替時期にあたるが、山間部であっても4月中旬には完了することが望ましい。 |
この時期は乾燥しやすいので苗木はコモ包みにするが、手桶を入れて持ち運びする。 |
種蒔き |
上~中旬が種蒔き時期、なるべく早く蒔くと同時に発芽促進処理をして、発芽率と発芽勢を強める。
種に消毒して立枯病を予防する。
適量蒔き付けに留意する。 |
発芽促進処理法
種の消毒法
蒔き付け量計算例
種の発芽温度(℃)
樹種 |
最低温度 |
最適温度 |
最高温度 |
スギ |
8~9 |
20 |
29~30 |
ヒノキ |
8~9 |
26~30 |
35~36 |
アカマツ |
9 |
21~25 |
35~36 |
クロマツ |
春蒔きの適期基準
場所 |
開始 |
終わり |
山陰道 |
海岸部 |
3月下旬 |
4月上旬 |
中山間部 |
4月上旬 |
4月中旬 |
奥山間部 |
4月後半 |
4月中旬 |
島嶼部 |
4月上旬 |
4月中旬 |
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挿し木 |
スギ、ヒノキの挿し木も中旬のうちには終わらせる。
スギの採穂適期は芽の活動直前又はソメイヨシノの開花期の半旬前とされているので時期を失しないようにする。 |
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除草剤施用 |
第1回施用時期は、床替床では床替え直後またはしばらくして地表面が安定してから、蒔き付け床では覆土直後である。 |
標準施用法 |
灌水 |
床替や挿し木直後、蒔き付け床の乾燥は、活着も発根、発芽などに大きな影響を及ぼす。状況に応じて随時灌水する。 |
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晩霜対策 |
今月中~下旬から5月初めの晩霜は発芽初期の蒔き付け苗yあ新梢の伸び始めた床替苗に被害を与えるので蒔き付け苗では、タスケ、クレモナ寒冷紗、ダイオネット等の日除覆を早く取り付けて霜除けとする。
床替床でも、被覆法、燻煙法、散水法等可能な防霜対策を講ずる。 |
ラジオ、テレビ、有線放送などの霜注意報に留意する。 |
観測地 |
平均気温
(℃) |
最高気温
平均気温 |
最低気温
平均気温 |
湿度
(%)
|
降水量
(mm) |
日照時間
(h)
|
積雪日数
(日) |
最深積雪
(cm)
|
霜日数
(日) |
降水日数
(日) |
XX市 |
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苗畑 |
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最晩降雪終日 ▲月◆日
ソメイヨシノ開花日 平均◎月○日 最早 ■月◆日 最晩 ★月▼日
晩霜終日 平均●月★日 最早 ☆月□日 最晩 ▲月■日 |
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【5月】
作業名 |
時期・内容・要領 |
注意事項 |
覆い藁の除去 |
適期に蒔かれたものは5月初めから中頃にかけて発芽が完了するが、覆い藁は子苗がおよそ半分程度に生えた頃から生えそろうまでの間に2~3回に分けて徐々に取り除く。
じゃっbしyが続いたり、今後乾燥が予想さる場合は、覆い藁の半分くらいを梅雨頃まで残しておく。 |
床替え、さし木あるいは発芽後間もない時期で、苗木は外界の影響を最も受けやすいので管理には十分注意する。 |
日覆いの取り付け |
日覆いは覆い藁を全部取り除いた時点ではかけておかねばならないので、前もって取り付けの準備をしておき、覆い藁の最終除去と同時またはそれ以前に取り付ける。
日覆いの高さは一般に40~50cmとする。 |
日覆いは夜間、曇雨天時には取りはずす。 |
薬剤散布 |
スギの赤枯病、マツ苗の葉枯病子防のためのボルドー液、マンネブ剤等による消毒は今月中旬から開始し、今後定期散布する。 |
薬剤散布法
薬剤防御法 |
除草 |
雑草は小さいうちに抜き取る。
蒔き付けまたは床替え直後に除草剤を処理した場合でも、今月中~下旬には第2回目の処理が必要となる。 |
蒔き付け床では発芽間もない幼弱なときには処理をひかえ、初生葉が開ききってある程度硬くなってから処理する。 |
追肥 |
施肥設計または苗木の生育状況に応じて適宜追肥する。 |
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観測地 |
平均気温
(℃) |
最高気温
平均気温 |
最低気温
平均気温 |
湿度
(%)
|
降水量
(mm) |
日照時間
(h)
|
霜日数
(日) |
日照率
(%) |
降水日数
(日) |
XX市 |
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苗畑 |
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晩霜終日 平均●月★日
梅雨入り最早日 ■月◆日 |
【6月】
作業名 |
時期・内容・要領 |
注意事項 |
間引き |
第1回の間引きを梅雨入り後から中旬にかけて行う。発芽が遅かったところでは混み具合に応じて若干遅らせてもよい。 |
間引きの要領
スギの目安
苗長3cm
過密部分の調整、発育不良苗、被害苗、形質不良苗
苗床の空気の流通を図る。 |
除草 |
梅雨期は雑草が繁茂し、環境が.悪化しやすい為、梅雨入りまでに、雑草を抜きとり、除草剤で処理する。 |
日覆いの一時除去 |
蒔き付け床、挿し木床の日覆いは曇雨天のときはっとめて除去する。 |
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薬剤散布 |
梅雨期は高温多湿となりがちで、赤枯病、マッの葉枯病、稚苗の立枯病、くもの巣病など病害が発生し易いので適切な防除散布につとめる。 |
赤枯病、葉枯病に対する薬剤の定期散布間隔は、平常より5日くらい短縮し、雨の合間に入念に行う。
その他
病害虫薬剤駆除法※ |
水害対策 |
事前対策
水田転換地、低地等では、堤防・畦詳の補強、排水溝の設置又は浚せつ。
事故対策
浸入・停滞水の速やかな排除。
苗床表土の流失被害には土入れによる根株の固定又は植替え。
流入土砂の除去、病害予防のための消毒、衰弱苗木の樹勢回復のための施肥。 |
土壌条件等によっては、葉面施肥が有効。 |
水蝕害対策 |
傾斜地苗畑では地表に稲ワラ、麦ワラ、山草等を敷く。
敷ワラは土壌が乾燥しないときに中耕後傾斜面に対し、直角に敷くのが効果的である。浸蝕を受け根株が露出した苗、倒伏苗に対しては土入れをして株起こしする。 |
|
湿潤害対策 |
梅雨期はとかく過湿になり易いので常に排水をよくし、時には中耕をして土壌の通気性を高める。 |
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観測地 |
平均気温
(℃) |
最高気温
平均気温 |
最低気温
平均気温 |
湿度
(%)
|
降水量
(mm) |
日照時間
(h)
|
日照率
(%) |
降水日数
(日) |
XX市 |
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苗畑 |
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梅雨入り平均 ■月◆日 最早 ●月★日 最晩 ▲月▼日 |
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【7月】
作業名 |
時期・内容・要領 |
注意事項 |
間引き |
第2回の間引きは今月の上~中旬に土壌が湿っているときに実施する。
間引きの割合は間引き予定量の三割程度とするが、初めての場合は6割くらいとする。 |
スギの目安
枝2~3本
過密部分の調整、発育不良苗、被害苗、形質不良苗
※苗木の根がかなり貼った場合は、間引きせず、摘み取ること。 |
追肥 |
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除草 |
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薬剤散布 |
梅雨期は高温多湿となりがちで、赤枯病、マッの葉枯病、稚苗の立枯病、くもの巣病など病害が発生し易いので適切な防除散布につとめる。 |
赤枯病、葉枯病に対する薬剤の定期散布間隔は、平常より5日くらい短縮し、雨の合間に入念に行う。
その他病害虫薬剤駆除法※ |
水害対策 |
事前対策
水田転換地、低地等では、堤防・畦詳の補強、排水溝の設置又は浚せつ。
事故対策
浸入・停滞水の速やかな排除。
苗床表土の流失被害には土入れによる根株の固定又は植替え。
流入土砂の除去、病害予防のための消毒、衰弱苗木の樹勢回復のための施肥。 |
土壌条件等によっては、葉面施肥が有効。 |
水蝕害対策 |
傾斜地苗畑では地表に稲ワラ、麦ワラ、山草等を敷く。
敷ワラは土壌が乾燥しないときに中耕後傾斜面に対し、直角に敷くのが効果的である。浸蝕を受け根株が露出した苗、倒伏苗に対しては土入れをして株起こしする。 |
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湿潤害対策 |
梅雨期はとかく過湿になり易いので常に排水をよくし、時には中耕をして土壌の通気性を高める。 |
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堆肥製造 |
麦わら、山野草または前年の稲藁を原料に堆肥の積込 |
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【8月】
作業名 |
時期・内容・要領 |
注意事項 |
間引き |
今月の上~中旬が最終回の間引き時期である。
理想としては雨後土壌が湿っている時がよいが、日照り続きで土壌が乾燥しているときは苗木は抜き取らずに、地際から切り取る。 |
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除草 |
状況に応じ手取除草又は除草剤の施用 |
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薬剤散布 |
赤枯病、葉枯病予防薬剤の定期散布のほか突発病害虫の防除のための薬剤散布 |
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干害対策 |
気温が最も高い月で日照りが続けば干害が起こる可能性が高いので対策を怠たらないように。
①平素から除草を徹底し雑草による土壌水分の蒸散を防ぐ
②敷ワラ、籾ガラ、鋸屑による地表被覆
③風除け、日除けの取付け
④中耕
⑤千害が切迫したら水 |
灌水量の一例
土壌の種類 |
土層10cmに対する1回の灌水量 |
壌土 |
15~20ミリ
(15~20㍑/m2) |
砂質土 |
6~10ミリ
(6~10㍑/m2) |
土層20cmの場合は倍量
灌水の有効日数-夏期干天時-
潅水は早朝又は夕刻に行い、降雨があるまで継続する。 |
台風対策 |
中、下旬後台風期となる。台風情報に応じ、①日覆その他台風に飛ばされやすい野外施設の取込み又は補強②高温多湿によって発生とまん延が助長される病害(赤枯病、葉枯病、立枯病、根腐病、くもの巣病、ペスタロチア病)防除のための入念な消毒、環境改善 |
スギ、ヒノキは台風によって枝葉が触れ合ったりして傷つくと、ペスタロチア病が発生しゃすいので、とくに台風の前後に消毒する |
根切り |
その年の気象条件や場所によっては8月のうちにも根切りが必要になるが、中〜下旬以後適度の降雨があり、実施条件(9月掲載)が満たされれば根切りを行う |
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堆肥製造 |
稲ワラ(前年産)、麦ワラ、山野草等を原料とした積込み |
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【9月】
作業名 |
時期・内容・要領 |
注意事項 |
根切り |
今月に入るとスギ、ヒノキ苗の本格的な秋伸びが盛んになるので根切りを行う。
実施時期は苗木の長さが規格に達していることと霜の降りる1~1.5月を目安として決めるが、本県の平年では9月上旬から下旬前半の間である。
根切りを行う日は陽ざしが弱いか曇天で無風の日を選び、しかも土壌に適当な湿りがあるときに行う。
根切りの深さは、まきつけ苗で7cm、床替苗で12~15cn程度とする |
根切り時期が遅いと細根の発達促進と早霜害防止の効果が少なくなる。
晴天が続き土壌が乾ききっているとき、陽射しや風が強いときは避ける。 |
秋挿し木 |
9月中旬から10月中旬が秋さしの適期である。さし穂のかたまり具合と天候条件をにらみ合せて実施する |
残暑がやわらぎ適度な降雨があってからがよい |
日覆の撤収 |
まきつけ床やさしき床の日覆は上旬には除去する。もし陽ざしが強ければ朝や夕方に一時的に除き苗木を馴らしながら数日をかけて徐々に取り除く |
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薬剤散布 |
赤枯病、葉枯病予防薬剤の定期散布のほか突発病害虫の防除のための薬剤散布 |
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除草 |
この頃の雑草は著しい繁茂でない限り苗木の生長を抑制することは少ないが環境を悪化するし、また結実期のものが多いので種実の落下しないうちに除草する |
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追肥 |
加里を初秋のうちに追肥する。また、石灰を施して徒長を防ぎ、根系の発達をはかる |
|
堆肥製造 |
早期栽培稲ワラを材料としてつくる |
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【10月】
作業名 |
時期・内容・要領 |
注意事項 |
薬剤散布 |
赤枯病、葉枯病防除のための薬剤は今月の上〜中旬にかけて最後の散布をする。 |
感染期は今月の中旬まである。 |
追肥 |
弁当肥は地上生長のほほ停止した今月下旬から11月上旬に追肥する。 |
来春の床替後、または造林後の成長が促進される。 |
秋挿し木 |
今月の中旬までが適期であるのでなるべく早目にさしつける |
苗間に藁、籾殻、落葉等を被覆して、乾燥防止、保温、霜柱防止のように役立てる。 |
秋床替 |
上・中旬が適期である。
霜柱が強くないところでは実施する |
山行き苗の掘取り |
今月下旬頃から開始。
掘取りは風の強いときをさけ、つとめて曇天無風の日や朝夕の陽ざしの弱いときに行う。
掘った苗木は直ちにコモ、ムシロなどで覆う。 |
根を極端に短かく切らぬこと
枝葉に傷をつけないこと。
苗木を乾燥させないこと
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選苗 |
日陰または屋内で行う。規格別に選別するが、形質不良苗、被害苗、結実着花苗は厳選除外する |
陽光や風が当るところでは選苗、荷造りをしないこと |
剪根 |
根の長過ぎるものは20cm程度に切りつめる |
鋭利な刃物を用いて切る |
荷造り |
根の乾燥防止処理として、
①泥づけ、
②根の間に湿ったオガクズを入れる
③半腐れワラ、水ゴケで根を包む
のいずれかを行う。
また、ヒノキ、マツは枝業のムレを防ぐため梱包の中心に直径10cm内外のソダを入れる。 |
泥づけ法
畑地に直径1〜2m、深さ1m内外の穴を掘る。
これに表土と下層の粘土を少量と水を加えてドロドロの泥水を作り、苗木の根部を束のまま泥水につける。 |
堆肥製造 |
稲藁のできる時期なので早目に積込む。 |
|
種の採取調製 |
10月に入るとタネは成熟する。球果の熟れ具合(色調)を観察し、それぞれ適期に採取する。 |
種苗法では、9月20日以降
樹種 |
時期 |
スギ |
10月中旬~下旬 |
ヒノキ |
10月上旬~11月中旬 |
アカマツ
クロマツ |
10月中旬~下旬 |
|
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【11月】
作業名 |
時期・内容・要領 |
注意事項 |
山行苗の掘取り・出荷 |
なるべく早い時期に完了する。 |
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越冬仮植 |
時期 |
年内に十分活着することが必要なので、なるべく早い時期に行う。 |
場所 |
東から南向きの斜面などで雪解けが早くて風当たりの穏やかな排水の良いところ、土壌は通気性と透水性の良いものを選び、排水溝を設ける。 |
方法 |
|
|
仮植すると苗木は一時的に衰弱し、それが回復しないうちに低温や根雪になると抵抗性が弱く被害を受けやすくなる。
被害を受ける前に、十分活着させることが大切。
水が停滞すると根腐れを起こし、また過湿になりやすく融雪期に、雪腐病発生、蔓延の原因となる。 |
耕耘 |
苗を掘り取って空いた畑はなるべく秋のうちに耕耘する。土壌改良のため実態に応じた耕耘法を実行する。
深耕は隔年で実施する。
秋耕時に生藁を鋤込み、春までに土中で堆肥化させる。 |
秋耕は冬期間に土壌の風化や潜在養分の分解を促進したり、害虫を投資させるなどの効果がある。
固結した重粘土壌では特に必要である。 |
土地改良 |
客土、排水溝の設置等土壌改善に必要な作業を休閑中に実施しておく。 |
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【12月】
作業名 |
時期・内容・要領 |
注意事項 |
耕耘 |
苗を掘り取って空いた畑はなるべく秋のうちに耕耘する。土壌改良のため実態に応じた耕耘法を実行する。
深耕は隔年で実施する。
秋耕時に生藁を鋤込み、春までに土中で堆肥化させる。 |
秋耕は冬期間に土壌の風化や潜在養分の分解を促進したり、害虫を投資させるなどの効果がある。
固結した重粘土壌では特に必要である。 |
土地改良 |
客土、排水溝の設置等土壌改善に必要な作業を休閑中に実施しておく。 |
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雪腐病予防消毒 |
越冬苗木に対して、根雪になる前に薬剤消毒をして雪腐れ病の予防を図る。
薬剤と処理法
①4-4式ボルドー液、チウラム剤、キャプタン剤の400~500倍液を地面が潤う程度に散布する。
②チウラム剤、PCNB剤の水和液を粉態のまま5g/m2、キャプラン剤を粉態のまま5~10g/m2散布する。 |
・アカマツ苗はボルダー液では薬害を受けるので使用しない。
・散布後根雪になるのが遅れた場合は、もう一度散布する。
・仮植苗は被病し易いので特に念入りに消毒する。 |
防寒・防霜 |
秋床替やスギの秋挿しをした苗畑で℃所が凍結したり、霜柱が立つ恐れがあるところでは、風よけ、霜よけを設けるか、苗間に稲藁、籾殻、鋸屑などを敷く。 |
凍害・寒害対策 |
土壌の調査診断 |
土壌の断面積、科学性の簡易検定等を行い、次年度の土壌管理、肥培管理を的確なものとする。 |
|
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メモ
山行苗1万本養成に必要な種子、苗畑面積(大阪営林局情報)
樹種 |
種子量
g |
発芽効率
% |
播種床(m2) |
要床替
得苗数 |
床替床(m2) |
1回床替
山行苗 |
床地 |
附属地 |
計 |
床地 |
附属地 |
計 |
スギ |
764 |
25 |
25 |
13 |
38 |
12,500 |
256 |
86 |
342 |
10,000 |
ヒノキ |
1,266 |
20 |
23 |
12 |
35 |
12,500 |
224 |
75 |
299 |
10,000 |
アカマツ |
453 |
90 |
29 |
15 |
44 |
12,000 |
245 |
82 |
327 |
10,000 |
クロマツ |
660 |
90 |
29 |
15 |
44 |
12,000 |
245 |
82 |
327 |
10,000 |
仕立て基準 |
スギ |
ヒノキ |
マツ |
播種床1m2当り得苗本数 |
500 |
550 |
450 |
床替床1m2当り床替本数 |
49 |
56 |
49 |
※地域によって数字が増減する。
|
実生苗の育苗標準例
樹種 |
区分 |
仕立本数
(本/m2) |
得苗率 |
山行苗10万本当り |
1ha当り
山行苗
生産本数
(千本) |
摘要 |
本数
(千本) |
面積 |
床地 |
附属地 |
計 |
スギ |
蒔き付け |
600 |
100 |
121.3 |
202 |
101 |
303 |
|
検定発芽率30% m2当り蒔き付け量30g
10万本生産に必要な種子量6.06kg
2年生山行苗、2回床替苗の得苗率は1回目の床替苗の得苗本数に対するもの |
1回床替 |
49 |
|
121.3 |
2476 |
743 |
3,219 |
|
得苗 |
|
85 |
10.1 |
|
|
|
|
2年生山行苗 |
|
80 |
82.5 |
|
|
|
|
2回床替 |
36 |
30 |
20.6 |
572 |
172 |
744 |
234.4 |
3年生山行苗 |
|
85 |
17.5 |
|
|
|
|
計 |
|
|
100.0 |
3,250 |
1,016 |
4,266 |
(252.3) |
ヒノキ |
蒔き付け |
800 |
100 |
145.3 |
182 |
91 |
273 |
|
検定発芽率200%
m2当り蒔き付け量33g
10万本生産に必要な種子量6.01kg
2年生山行苗、2回床替苗の得苗率は1回目の床替苗の得苗本数に対するもの |
1回床替 |
64 |
|
145.3 |
2,271 |
681 |
2,952 |
|
得苗 |
|
80 |
116.2 |
|
|
|
|
2年生山行苗 |
|
30 |
34.9 |
|
|
|
|
2回床替 |
42 |
70 |
81.3 |
1,936 |
581 |
2,517 |
174.2 |
3年生山行苗 |
|
80 |
65.1 |
|
|
|
|
計 |
|
|
100.0 |
4,389 |
1,353 |
5,742 |
(182.8) |
アカマツ |
蒔き付け |
500 |
100 |
125.0 |
250 |
125 |
375 |
|
検定発芽率70% m2当り蒔き付け量20g
10万本生産に必要な種子量5.0kg |
1回床替 |
49 |
|
125.0 |
2,551 |
765 |
3,316 |
270.9 |
2年生山行苗 |
|
80 |
100.0 |
|
|
|
|
計 |
|
|
100.0 |
2,801 |
890 |
3,691 |
(301.6) |
クロマツ |
蒔き付け |
500 |
100 |
125.0 |
250 |
125 |
375 |
|
検定発芽率80% m2当り蒔き付け量16.7g
10万本生産に必要な種子量4.18kg |
1回床替 |
49 |
|
125.0 |
2,551 |
765 |
3,316 |
270.9 |
2年生山行苗 |
|
80 |
100.0 |
|
|
|
|
計 |
|
|
100.0 |
2,801 |
890 |
3,691 |
(301.6) |
※計の(111.1)は床替のみの場合
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|
施肥設計例
①蒔き付け床(1m2当りg)
施肥 |
スギ・埴質壌土 |
アカマツ・砂質壌土 |
区分 |
肥料 |
施肥量 |
施肥要素量 |
施肥量 |
施肥要素量 |
肥料名 |
含水率 |
N |
P |
K |
N |
P |
K |
基肥 |
堆肥 |
70
0.6-0.2-0.4 |
1,875 |
3.4 |
1.1 |
2.2 |
1,875 |
3.4 |
1.1 |
2.2 |
鶏糞 |
3-3-1.2 |
|
|
|
|
50 |
1.5 |
1.5 |
0.6 |
硫安 |
21 |
33 |
6.9 |
|
|
20 |
4.2 |
|
|
過石 |
17 |
30 |
|
5.1 |
|
20 |
|
3.4 |
|
熔燐 |
19 |
20 |
|
3.8 |
|
12 |
|
2.3 |
|
塩加 |
60 |
4 |
|
|
2.4 |
2 |
|
|
1.2 |
小計 |
|
10.3 |
10.0 |
4.6 |
|
9.1 |
8.3 |
4.0 |
追肥 |
尿素 |
46 |
10 |
4.6 |
|
|
13 |
6.0 |
|
|
硫化 |
50 |
4 |
|
|
2.0 |
2 |
|
|
1.0 |
小計 |
|
4.6 |
|
2.0 |
|
6.0 |
|
1.0 |
合計 |
|
14.9 |
10.0 |
6.6 |
|
15.1 |
8.3 |
5.0 |
②1回床替床(1m2当りg)
施肥 |
スギ・埴質壌土 |
アカマツ・砂質壌土 |
区分 |
肥料 |
施肥量 |
施肥要素量 |
施肥量 |
施肥要素量 |
肥料名 |
含水率 |
N |
P |
K |
N |
P |
K |
基肥 |
堆肥 |
70
0.6-0.2-0.4 |
1,875 |
3.4 |
1.1 |
2.2 |
1,875 |
3.4 |
1.1 |
2.2 |
鶏糞 |
3-3-1.2 |
|
|
|
|
100 |
3.0 |
3.0 |
1.2 |
硫安 |
21 |
50 |
10.5 |
|
|
40 |
8.4 |
|
|
過石 |
17 |
30 |
|
5.1 |
|
20 |
|
3.4 |
|
熔燐 |
19 |
35 |
|
6.8 |
|
25 |
|
4.7 |
|
塩加 |
60 |
7 |
|
|
4.2 |
3 |
|
|
1.8 |
小計 |
|
13.9 |
13.0 |
6.4 |
|
14.8 |
12.2 |
5.2 |
追肥 |
硫安 |
21 |
|
|
|
|
10 |
2.1 |
|
|
尿素 |
46 |
20 |
9.2 |
|
|
12 |
5.5 |
|
|
硫化 |
50 |
6 |
|
|
3.0 |
3 |
|
|
1.5 |
小計 |
|
9.2 |
|
3.0 |
|
7.6 |
|
1.5 |
合計 |
|
23.1 |
13.0 |
9.4 |
|
22.4 |
12.2 |
6.7 |
|
貯蔵法(幼苗)
1.貯蔵条件 |
|
苗木を休眠状態に保ちながら、乾燥による萎凋と気温・多湿による腐敗を防ぐため、温度は、1~5℃、関係湿度は85~90%ととし、適度の換気を図る。 |
2.貯蔵施設 |
|
地下室、半地下式土囲い室、横穴式貯蔵庫等 |
3.苗木保管法 |
① |
苗木を棚積みして根と値を合わせ、それを水苔などで軽く覆っておく。 |
|
② |
床が土間の場合は、たべのままねを土に密着させ、束と束の間は絶対に隙間が出来ないように並べる。 |
|
③ |
CTM段ボール箱内に収納するか、ライフパック等の保湿性梱包資材で梱包し、貯蔵施設内で保管する。 |
|
|
|
床替の標準間隔
樹種 |
植え付け法 |
m2当り床替本数 |
植え付け間隔 |
1回床替 |
2回床替 |
床植え |
2条列植え(並木植え) |
スギ |
床植え |
42~49 |
36~42 |
m2当り
本数 |
間隔
株×株cm |
36 |
18×18 |
42 |
15×18 |
49 |
15×15 |
|
m2当り
本数 |
間隔
株×株cm |
24 |
16.6×15×35 |
28 |
14.3×15×35 |
32 |
12.5×15×35 |
36 |
11.1×15×35 |
|
2条列植え |
28~32 |
24~28 |
ヒノキ |
床植え |
42~49 |
36~42 |
床植え(3年生) |
56~64 |
|
2条列植え |
32~36 |
28~32 |
アカマツ
クロマツ |
床植え |
49 |
|
2条列植え |
28~36 |
|
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|
薬剤防御法
土壌消毒による土壌線虫・立枯病等の防除法(蒔き付け前)
薬剤 |
濃度・施用量 |
処理法 |
注意点 |
カーバム剤
NCS |
2倍液
50cc/m2 |
注入点 |
30cm間隔の千鳥状に1m2当り10穴、注入の深さは15cm程度 |
注入量 |
1穴あたり5cc、注入後穴を踏み固めて塞ぐ |
注入後直ちにポリエチレンフィルムなどで被覆。
7~10日経過後、除覆
ガス抜き(表土10cmくらいの範囲を打ち返す)
約1週間後に蒔き付ける。 |
・クロルピクリン剤は劇薬のため、ゴム製手袋、メガネ、防毒マスクなどを着用する。
・覆土用土も同一薬剤で消毒しておく。
・地温11℃以上であれば使用できる。
・土壌を膨軟にしておいて注入する。
・降雨直後は処理しない。
・石灰類や石灰窒素等は土壌消毒後、作付け前に施用する。
・苗木が徒長かつゴボウ根となるので窒素肥料を控え、初秋に根切りをする。 |
30倍液
1㍑/m2 |
ジョーロを用い床面に均一に灌注する。
灌注後の処理は上記と同じ。 |
クロルピクリン燻蒸剤
ドジョウピクリンドロクロール |
原液
30cc/m2
(注入) |
注入量 |
1穴当り3cc、
注入後、穴を踏み固めて塞ぐ |
注入後の処理はNCSと同じ |
ネキリムシ等の防除法(蒔き付け、床替前)
薬剤 |
使用量(m2) |
処理法及び注意 |
トクチオン微粒剤F
ダイアジノン粉剤(2%)
ダイアジノン微粒剤F(3%)
バイジット粒剤(5%) |
6~12g
10~15g
5~10g
9~12g |
・何れも均一に散布後、深さ10cmくらいの範囲の表土とよく混和する。
・使用にあたってはゴム製手袋を着用する。
・ダイアジノンは地温が10~15℃以上で無いと効果が出ない。 |
|
発芽促進処理法
樹種 |
処理法 |
共通事項 |
スギ |
浸水15℃ 24時間 流水浸漬7日間 |
24時間浸水後低温処理0℃1ヶ月
2~3日間清流浸水漬
湿った種を5度前後で約1週間冷却 |
ヒノキ |
冷水浸漬1℃ 24時間※ |
マツ |
低温処理5℃ 1~2ヶ月 |
※桶などの適当な容器を用い、氷または雪が溶解した場合の水量に十分浸漬しうる見込み量の種を布袋に詰め、氷または雪の間に入れて、一昼夜放置する。
種はその間に漸次融水中に浸漬冷却させる。
浸漬の済んだ種は、蒔き付けに支障の無い程度に陰干ししてなるべく早く蒔き付ける。
|
種の消毒法
方法 |
薬剤 |
処理法 |
浸漬法 |
チウラム・チオファネートメチル剤
(ホーマイ水和剤) |
200倍液に30分浸漬する。
種を木綿袋に入れて浸漬した後、水洗いをし陰干しして蒔き付ける。 |
粉衣法 |
チウラム・チオファネートメチル剤
(ホーマイ水和剤:水和剤を粉態のまま使用する)
チウラム剤 |
種1kgに対し、チウラム・チオファネートメチル剤は10g、チウラム剤は2~5gをまぶす。
その方法は陰干しした種と薬剤を同時に、缶ないしは箱等の容器に入れてよく振れば容易に粉衣出来る。 |
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|
種の蒔き付け量の計算例
樹種 |
➂発芽率% |
①
1gの粒数 |
②
純量率 |
④
成苗率 |
⑤
保残率 |
⑥
仕立本数 |
備考 |
45 |
40 |
35 |
30 |
25 |
20 |
15 |
10 |
スギ |
(1) |
19.5 |
21.9 |
25.1 |
29.2 |
35.1 |
43.8 |
58.5 |
87.8 |
300 |
95 |
60 |
50 |
750 |
|
(2) |
8.5 |
9.5 |
10.9 |
12.7 |
15.2 |
19.0 |
25.3 |
38.0 |
300 |
95 |
66 |
700 |
500 |
|
(3) |
9.7 |
11.0 |
12.5 |
14.6 |
17.5 |
21.9 |
29.2 |
43.9 |
300 |
95 |
50 |
80 |
500 |
|
ヒノキ |
(1) |
15.6 |
17.6 |
20.1 |
23.4 |
28.1 |
35.1 |
46.8 |
70.1 |
400 |
95 |
60 |
50 |
800 |
|
(2) |
10.5 |
11.8 |
13.5 |
15.7 |
18.8 |
23.5 |
31.4 |
47.1 |
400 |
95 |
65 |
70 |
800 |
|
(3) |
9.5 |
10.7 |
12.3 |
14.3 |
17.2 |
21.5 |
28.6 |
43.0 |
400 |
95 |
50 |
60 |
500 |
|
樹種 |
➂発芽率% |
①
1gの粒数 |
②
純量率 |
④
成苗率 |
⑤
保残率 |
⑥
仕立本数 |
|
45 |
40 |
35 |
30 |
25 |
20 |
15 |
10 |
アカマツ |
8.7 |
9.0 |
9.7 |
10.3 |
11.1 |
12.0 |
13.0 |
14.2 |
100 |
95 |
70 |
500 |
|
クロマツ |
13.2 |
|
14.8 |
|
17.2 |
|
19.8 |
|
75 |
95 |
70 |
600 |
|
計算式

スギ(2)間引きを加算しない、スギ(➂)間引きを見込んだ場合
ヒノキ(2)(3)間引きを加算せず。
|
病害虫薬剤駆除法
スギ赤枯れ病・マツ葉枯れ病の防除薬剤と散布法
薬剤 |
濃度 |
散布量 |
散布時期 |
展着剤の可用等 |
石灰ボルドー液 |
4-4式~6-6式 |
m2当り
200~300cc |
5月中旬~10月中旬
2週間おきに10~12回
梅雨期・台風期には間隔を短縮する。 |
・湿展性展着剤(リノー、グラミン等)を10㍑あたり2cc添加する。
・少数回散布法
マンネブ剤、マンゼブ剤、プロピネフ剤にPVA(ポリビニールアルコール)、または、パラフィン系固着剤を薬液1㍑に10cc添加した場合は、1ヶ月おきに6回散布で良い。 |
マンネブ剤
(マンネブダイセンM) |
水和剤
400倍液 |
マンネブ剤
(ジマンダイセン) |
プロピネル剤
(アントラコール) |
石灰ボルダー液は、アカマツに対し薬害を及ぼすことがあるので散布してはいけない。
PVAには、「ゴーセノール」、N-300C-500、パラフィン系固着剤には、「ステッケル」がある。
|
生育期の主要病害虫と薬剤防御法
病害虫名 |
被害発生時期 |
被害苗木 |
防除法 |
立枯病 |
倒伏型5~6月
根腐型7月以降 |
スギ、ヒノキ、マツ稚苗 |
リゾクニア菌による発病の場合は、PCNB剤(ペンタゲン水和剤)1,000倍、フザリウム菌の場合はタチガレン液剤500倍液を3㍑/m2を如雨露で床面に灌注する。 |
クモの巣病 |
6~7月
9~10月
長雨が降る時期 |
主としてスギ、ヒノキ、マツ稚苗 |
・発病を認めたら、直ちにパリダマインシン剤(パリダマイシン液剤)の600~1,000倍液を羅病部を中心に300cc/m2を床面が濡れる程度に散布する。
・予防散布
多雨時期に銅剤(4-4式ボルドー液、銅水和剤)、またはマンネブ剤の500倍液を200cc/m2散布する。
ただし、マツには銅剤は不可。 |
ペスタロチア病 |
6~10月 |
ヒノキ苗に多発
スギ、マツ苗にも発病 |
チオファネートメチル剤(トップジンM水和剤)、ベルミル剤(ペンレート水和剤)の1,000から2,000倍液を、強風などで苗木傷んだ直後に散布する。 |
根切虫
(コガネムシの幼虫) |
4~10月 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
間引きの要領
回数 |
時期 |
スギの場合 |
間引き予定本数に
対する間引き割合 |
対象苗 |
1 |
梅雨の初め
6月上旬 |
苗長3cm |
40% |
過密部分の調節、発育不良苗、被害苗、形質不良苗 |
2 |
7月中旬 |
枝2~3本 |
30% |
同上 |
3 |
8月上~中旬 |
|
30% |
上記の他、生長遅れの苗、徒長苗、予備苗 |
※苗木はかなり根を張った頃は、間引きは抜き取らず、摘み取る法が良い。
最終仕立本数(1m2当り)
スギ |
ヒノキ |
アカマツ・クロマツ |
500~600本 |
600~700本 |
450~600本 |
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|
|
|
|
|
|
除草剤の標準的施用法
施用 区分 |
除草剤 |
10a当り1回の施用量 |
初回の 施用時期 |
施用間隔 (回数) |
散布要領 |
蒔き付け床 |
床替床 |
単用 |
シマジン水和剤 |
100~200g |
200~300g |
・蒔き付け床
5月下旬頃
床替床活着後
・蒔き付け床
覆土直後
・床替床
床替後1週間以内 |
30~50日
(3~4回) |
10aあたり180~200㍑の水に除草剤を溶かして、低圧噴霧器で土壌の表面に均一に散布する。 |
ゲザミル水和剤 |
100~200g |
200~300g |
30~45日
(3~4回) |
MO乳剤 |
1,000~2,000cc |
1,200~1,500cc |
25~30日
(3~4回) |
ロンスター水和剤 |
100~200g |
250g |
20~30日
(3~4回) |
トレファノサイド乳剤 |
200~300cc |
300~400cc |
30~45日
(3~4回) |
サターン乳剤 |
600cc |
800cc |
30~40日
(3~4回) |
混用
(例) |
MO乳剤
ゲザミル水和剤 |
1,000cc
50~100g |
1,100cc
100g |
同上 |
30~45日 |
同上
溶解はケザミルを先にし、その中に他の除草剤を混入する。 |
サターン乳剤 ゲザミル水和剤 |
500cc
50g |
600cc
100g |
注意事項
①除草剤が移動しやすい砂土から砂質壌土あるいは水分の多い土壌に対しては、この標準量を減らすか、分施する。②雑草の種類に応じて最も適した除草剤を選択施用、または混用する。
➂シマジンは、蒔き付け床ではスギ、ヒノキには使用しない。
マツに対しても苗木が3~⑤cmに成長してからが安全である。
④ヒノキの蒔き付け床(初期)にはサターン乳剤が最も安全である。他の薬剤は初生葉期に薬害を及ぼすことがある。
⑤蒔き付け床では、発芽直後の苗木が軟弱な時期には施用を避ける。
⑥これらの除草剤は大きくなった雑草には効かない。5mm以上の草を除去後、施用する。
⑦これらの除草剤は、土壌中に適度の水分があるときに有効に働くため、適量の降雨後に施用するのが望ましい。
従って、大雨や長雨直後の過湿な時や、旱天続きで過乾な時には施用しない。
⑧施用後条件が良ければ、地表下1~2cmのところに除草剤の処理層が形成、保持されているから、残効期間(ほぼ施用間隔日数)は中耕等、地表を動かすようなことはしない。
※どの雑草に効能があるか纏めること
|
|
雪害対策(応急的な方法)
(1)機械的(雪圧による)雪害防除法
①越冬苗木は積雪前に掘り起こして、斜め仮植をすると防げる。ただし、積雪かでの衰弱に加え、雪腐れ病に冒される危険があるため、仮植は薄めに丁寧に行い、かつ雪腐れ病対策を十分に行う。
②採穂台木は支柱(1本または3本)を立て、枝葉を絞って縄で巻き締める。
(2)雪腐れ病防除法
①雪解け時期の苗床の水はけを良くするため、積雪までに排水溝を作っておく。
②やむを得ず越冬仮植する場合はなるべく早い時期に行い、苗木は粗く並べ入念に仮植する。
③越冬苗木に対しては、予防用薬剤を散布する。
④積雪期間が長引くようであれば、雪上に、黒土、木炭粉末、木灰、焼き籾殻、黒色クレモナ、寒冷紗を散布または被覆するか、雪面に畝立てをして融雪を促進する。
凍害・寒害対策(応急的な簡易方法、霜柱対策も含む)
(1)苗木または地表の被覆
①葦簀、コモ、筵、寒冷紗または日覆材料を用い、南を高く北を低く屋根覆いをする。
②常緑樹の枝、笹などを床面に立てる。
③藁、カヤ、落葉等を苗木が隠れる程度に直に被せる。
④苗木の間の地表面に落葉、鋸屑、籾殻、粉炭等を敷く。(霜柱防止)
(2)苗木の仮植または貯蔵
①苗木を掘取り、松林下など上層に遮蔽物がある場所に深めに丁寧に仮植する。
②掘り取った苗木を屋内の土間に仮植貯蔵するか、半地下式の室、横穴式の地下貯蔵庫等にコモ包みのまま貯蔵する。
(3)結氷または気温冷却防止
燻煙法、灌水法(灌漑法)、散水法がある。詳細は、「作物気象災害対策指針」を参照
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