きこりの森林・林業の教科書


⑩木材を使おう

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木炭
基礎情報 特性 木炭の灰 木酢液 炭の利用
【木酢液】

 木酢液とは炭を焼くときに発生した煙を冷やして液体にしたもので、液体は茶色で、燻製のような香りがする。「木酢液・竹酢液(以下、木竹酢液という。)は、木炭や竹炭を製造する際に発生する煙の成分を冷却して得られた水溶液です。水分が約90%で、残りの10%のうち、約5%が酢酸で、その他アルコール類、エステル類、フェノール類等、約200種類に及ぶ有機成分が含まれている」が、日本木酢液協会の定義です。

<農作物の生長促進>
 適度な濃度の木酢液は、植物の発芽と生長を促進させる。ただし、多様な成分で構成されているため、時には、成長を阻害することもある。
 一般的に軽い濃度(200~500倍に稀釈)は、植物の成長を促進する。


<病害虫対策>
 20~300倍程度の稀釈駅で土壌灌入か葉面散布する。ハダニ、アブラムシ、カイガラムシの防除に効果がある。また、土壌に灌注すると線虫の駆除に効果がある。

作物 病害名 処理方法
茄子 ダニ ドクダミ入り木酢液を散布
メロン アブラムシ 木酢液入り粉炭で忌避効果
観葉植物 カイガラムシ 200倍液を2~3回散布
トマト ウィルス 200倍液を1週間おきに散布
ネコブセンチュウ 100~200倍液の根元灌注
キュウリ うどんこ病 ニンニク入り木酢液(200倍液)を葉面散布
ベト病 同上
ネコブセンチュウ 100~200倍液の根元灌注
オンシツコナジラミ ドクダミ入り木酢液200倍液の葉面散布
ビート 立ち枯れ病 20倍液を土壌灌注
リンゴ 腐乱病 50倍液を1週間おきに2回散布
白さび病 200m2に150リットルを施用
キャベツ 灰色カビ病 200倍液を5日毎に3回散布
白菜 灰色カビ病 200倍液を5日毎に3回散布
イチゴ メセンチュウ 100~200倍液の散布

 木酢液は、水溶性で植物組織への浸透性が高いので、農薬と一緒に使うと農薬の効果を向上させ、農薬の使用料を少なくすることが出来る。

<害獣対策>
 木酢液特有の匂いは、モグヤや野ネズミ、猫などの小動物の忌避にも効果がある。

<堆肥>
 木酢液は200倍稀釈液の場合は、病原菌などの微生物の繁殖を抑えるが、500倍以上に稀釈した低濃度の場合は、微生物の繁殖を促す。特に、木材腐朽菌の酵素活性を高め、木材などの繊維質を分解、腐らせます。このため、堆肥の製造の際は、熟成を早めることが出来る。

<臭い消し>
 酢酸含有量が高く酸性である木酢液は、糞尿などに含まれるアルカリ性のアンモニア類と中和するため、昔は、くみ取り便所などで消臭用に利用。
 木酢液を木炭に吸着させたものを飼料に混ぜて食べさせると、排泄物の悪臭が大幅に減少する。
 
 ゴミ集積所、下水、畜舎、鮮魚などの廃棄物に対し、木酢液を50~100倍に稀釈して、1m2あたり、100~300ml散布すると効果的。
 播きすぎると焦げ臭い臭いが残る。

<畜産>
 木酢液を吸着させた木炭粉を飼料に混ぜて鶏に食べさせると卵の殻が強くなり、卵黄の生臭みが消え、コクのあるうまさが出る。
 養豚では、下痢止めの薬効が確認されている。
 燻製作りでも、加熱前に木酢液を肉類に漬けたりする。





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