きこりの森林・林業の教科書


⑩木材を使おう

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木炭
基礎情報 特性 木炭の灰 木酢液 炭の利用
【木炭】

①白炭と黒炭の違い
焼く温度 樹種 水分 灰分 揮発分 固定炭素 炭質
黒炭 400~700℃ コナラ・カシ 6~8% 2~3% 10~24% 65~82% 柔らかい
白炭 1000℃ コナラ 10% 2~3% 5~10% 75~85% 堅い

黒炭は、アルカリ性の物質を引きつける能力を持っている。
白炭は、酸性の物質を引きつける能力を持っている。
②炭の組織
 木材の組織がそのまま炭化すると約1/3に収縮する。
 パイプの口径はミクロンからオングストローム単位まで多種多様となっている。
(ミクロンは、100万分の1ミリ、オングストロームは、1億分の1ミリ)

③構造と物性
 多孔質な為、内部表面積が広く、1gあたり約300m2ある。このため、微生物が着生しやすく、孔径が大きい場合は、糸状菌、小さい孔径の場合は放線菌、孔隙にはバクテリア類が着生する。
 
④成分
400℃くらいで炭化した木炭は、大抵はアルカリ性となり、pH8~8.5となる。これは、カルシウムやカリウム等のアルカリ成分が多いためである。また、灰分(無機成分)は、樹木の生長に欠かせない必須成分であり、カルシウムが全体の40%近くを占めている。硼酸(H3BO3)やセレン(Se)等の微量成分も含まれている。
一方、有害物質である水銀やヒ素、六価クロムは無い。

区別 ウバメガシ白灰 ナラ黒炭
灰分1.87% 灰分1.77%
木炭に対し 灰分に対し 木炭に対し 灰分に対し
珪酸(SiO2) 0.007 0.36 0.017 0.90
鉄(Fe2O3) 0.007 0.36 0.023 1.76
アルミナ(Al2O3 0.104 5.39 0.004 0.23
チタン(TiO2) 0.001 0.05 0.004 0.23
マンガン(MnO) 0.095 4.92 0.004 0.23
石灰(CaO) 0.630 32.64 0.811 45.62
酸化マグネシウム
(苦土)(MgO)
0.497 25.75 0.089 5.01
カリ+ソーダ
(K2O+Na2O)
0.398 20.63 0.029 16.29
リン酸(P2O5) 0.060 3.11 0.046 2.60
炭酸その他
CO2+etc
0.131 6.79 0.482 27.13



-竹炭-

①炭化法
 細い竹は、丸炭、太い竹は、2つないし4つに縦割りにして平炭にする。
 竹材は、孟宗竹、マダケ、淡竹、根曲がり竹等を使用
 工程は、最初に竹に含まれる水分を水蒸気にしながら、窯の温度を3~4日間かけて徐々に上げ、乾燥・調湿します。次に、40~50時間かけて炭化させる。その後の精錬作業に4~5時間かける。
 
②物性
 木炭と比べると、タール分が少なく、珪酸が多いのが特徴。このため、炭質は堅く、濾過性が良い。
 熱分解の初期成分に、蟻酸等の酸性成分が多く発生するため、炭化炉の材質は、耐酸性に優れたものを選ぶ必要がある。このため、一般にはステンレス鋼が使われる。
 多孔質で表面積は1gあたり約200~300m2となっており、1,000℃の高温で炭化した場合は、備長炭の約10倍もの吸着力を持つと言われている。
-オガタン-
 オガタンは、日本で開発された成形燃料。オガライトを炭化したのがオガタン。大正14年(1925年)に開発されたが、1950年代に風呂の燃料として、薪の代わりにオガライトが重宝されます。その後、石油危機の時に炭化して販売されたとのこと。
 製材工場から出るおが屑を乾燥して、水分を10%位に調整し、成形機で圧縮(1t/cm2)成形する。これがオガライト(通称:文化薪)。このオガライトを加熱・炭化して出来たのがオガタン。大鋸炭となる。
 出荷時に、直径4~5cm、長さ10~30cm。黒色だが、一般の木炭のように手が汚れることがない。また簡単に手で折れるので扱いか簡単。
 製材時には、7%がおが屑となると言われており、オガライト、オガタンと、昔から木材のカスケード利用がされていた。
 自然備長炭のような爆跳の心配がない。

 白炭の代用として、ウナギの蒲焼きや焼き鳥などの炭火料理で広く使われている。火が付きやすい、発熱量(火力)は、7000カロリーと燃料としては好都合。
 
 燃料以外の使い方として、施設園芸やゴルフ場などの土壌改良材として利用。 
 
 東南アジアからドイツに再生エネルギーとしてブリケット(木質再生加工薪)として輸出されている。
-活性炭-
 木材・鋸屑・椰子殻などの植物性炭素質や木炭・コークスなどを原料とし、吸着性を高めた多孔質の炭素材。

椰子殻 石炭 木粉 備考
形状 破砕・円柱状 破砕・円柱・球状 粉末・顆粒
強熱残分量 少ない 多い 少ない 高温で加熱した際に揮散することで、有機物の中に不純物として含まれる無機物の量や構成
強熱残分構成 安定 採掘場所で異なる 安定
ミクロ孔 多い 少ない 少ない
平均細孔直径(nm) 1.2~3.0 2.0~5.0 1.5~
比表面積(m2/g) 700~1700 700~1300 700~1200
用途 脱臭 排水のCOD除去、脱色 液相(液体が気体や固体などど共存した状態のときの液体部分)で食品、医薬、化学薬品の精製用途


 2つの方法があり、薬品賦活法の場合は、材料を炭化する前に、塩化亜鉛、リン酸または、リン酸と硫黄などの賦活剤を混合した液によく浸して、炭化させて、希塩酸と水で洗浄することで不純物を除去します。同時に、洗浄液から塩化亜鉛などの薬剤も回収します。
 水蒸気賦活法は、木炭を水蒸気または炭酸ガスを絶えず回流させながら、800~1000℃くらいの温度で1~2時間保ちながら、水性ガスを発生させ、賦活する方法です。

 活性炭には1000万分の数センチ単位の微細な孔が出来、表面積は1gあたり、1000m2以上あり、吸着力も強化される。この優れた吸着力を活かして、脱臭剤、脱色剤、水質浄化剤、空気浄化剤、防毒マスクに利用されている。

 活性炭は、粉状もしくは粒状であるため、木炭と比べ、取り扱いにくく、コストも高い。また、ミネラル分は除去されているので、木炭のようなミネラル効果はない。




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