きこりの森林・林業の教科書



⑫森林を守ろう

概要 病虫害と対策 獣害 気象害 森林火災 竹林対策
主要な病虫害と対策
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マツクイムシ
ウサギ
ネズミ
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マニュアル類
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タケの特徴
タケノコ栽培
竹林の整備
竹の活用
マニュアル類


 竹林対策


タケの特徴 タケノコ栽培 竹林の整備 竹の活用 マニュアル類

タケノコ栽培
作業項目 作業内容
竹の伐採 10~12月頃に親竹の更新と、地下茎の伸長を促進するため、伐採する。
親竹の成立本数を10アールあたり150~300本(1500~3000/ha)
5年輪伐で、毎年立竹本数の20%を伐採する。

年仕立てる新親竹の本数は、10アール当たり40~60本が基準

特に竹があまり水を吸い上げていない11月前後が適期。この時期は竹の水分が50~60%に減り、セルロースは60%ぐらい増加して材質がしまっている。結果、カビが寄生せず、虫がつきにくい。
親竹の仕立方 4月上旬頃に発生したタケノコから親竹を選定する。
選定基準は
①地上10cm程度に伸びたもので、地際の直径が8~10cm前後のもの。
②先端が直立せず、湾曲し、とがっているタケ。
③葉先がやや開き、小舌(葉舌)、肩毛等が黄色味がかったもの。

早期のタケノコ発生数を増やすには、タケノコ発生の最盛期の 7~10日前に発生したのタケノコを親竹にする。
施肥 森林化成肥料を与える。
時期は、速効性肥料は春期発筍前、地下茎の伸び盛り期と充実期に分け与えると効果的と言われている。(2,6,10月)
一度に播くのではなく、数回に分けて施肥する。

無施肥でも 10アール当たり250kg
収穫量 100kg 増につき年 8kg の肥料(成分量:チッ素 2.7kg、リン酸 1.2kg、カリ 1.7kg、ケイ酸 2.1kg)が必要
除草と中耕 繁茂の都度行う。特に、施肥前には必ず実施する。
雑草などの根を掘り起こす程度とし、だんだん深く耕す。最終的には15cmまで行う。
敷き藁 7月頃に、保水力を高め、土壌の乾燥を防ぐために、敷き藁を行う。降雨前と11月以降は行わない。
土止め 伐採した竹や不良材などを等しい高さに並べ、固定してから雑草や落ち葉を集め、土止めとする。だいたい2~3mおきに設置する。この土止めは固定せずに、1~2年毎に位置を変えると筍がまんべんなく発生する。
灌水 旱天続きの梅雨明けから9月にかけて行う。地表面から20~30cmの深さで夏期に適切水分値(pF値)2.5~2.7程の灌水を行う。

pF値2.5:やや乾~潤:握ってみて手のひらに湿気が残る程度
pF値2.7:やや乾:湿気が少し残る程度
うら止め 地表への日当たりを良くして、筍の発生を早くする方法
作業時期は、タケノコの下方の節の新枝の1~2本が僅かに伸びかけた伸び盛りの頃に、竹桿を両手で揺すって、上方の柔らかい部分を振り落とす。または、鎌などで先端を切り落とす。
この際、枝が18~20段残るようにする。
モウソウチクがタケノコを出す適温は、18℃前後
耐酸性植物で、pH4.5 前後の土壌でもよく生育する。
チッ素、リン酸、カリが多いほど優良竹が多く、優良な親竹に育てるにはケイ酸が必要。
マグネシウムが多いと優良なタケノコを産出し、石灰分はタケノコのえぐ味を減少させる。
土質は砂混じりの粘土で、土層が深く、水はけは良く、保水性がある状態が望ましい。
石が多い土壌は、タケノコが掘りにくく、タケノコ栽培には適さない。
火山灰土では水はけが良すぎて乾燥の恐れがあり、タケノコのえぐ味が強くなる。対策として腐葉土を入れる。
地下水位は深い方が良く、浅いと根腐れの原因となったり、浅根が多くなり、良質のタケノコが出来ない。地下水位が浅い場合は、排水溝を設ける。
優良な竹とは、全ての節から2本ずつ枝を出している竹で、通称、雌竹といい、ひげ根が多く若い健全な地下茎から生えるため、雌竹を親竹として残すとタケノコが多く発生する。
逆に、最下枝が1本の竹は雄竹といい、不良な竹です。雄竹は、古い地下茎や細い不健全な地下茎から生えるため、伐採除去します。
地上の竹が5年目以上の古竹になると、地下茎は年齢が6年目以上と古いため、タケノコを産出しない。最も出す年齢は3年目と言われており、優良な竹でも5年目で伐採すること。

発生時期 竹皮の特徴
ハチク 6月 淡褐色(肌色) 短毛がある 苦み無し
マダケ 5月 黒褐色 滑らか 苦みあり
モウソウチク 3~5月 黒褐色 短毛が密生 えぐ味有り





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