きこりの森林・林業の教科書
⑧林業経営を始めよう

はじめに 樹種の種類 苗木から植栽 植栽から保育 間伐から主伐 伐採・搬出 林道管理 安全対策 レクリエーションの森 メモ
基本状況 針葉樹 地拵え 植え付け 初期保育 枝打ち 間伐 複層林 混牧林 マングローブ
広葉樹 地拵え 植え付け 初期保育 枝打ち 間伐 天然更新 混交林 メモ
地拵え
伐出後に林地に残された幹の先端部や、枝条、刈り払われた灌木や草本などを、植栽しやすいように整理すること。
枝条や残存木は有機物になるため、再利用可能です。このため、表層土の流亡を押さえるように、また、土壌か乾燥しないように配置することが重要です。

低木を全部刈り取る「全刈り地拵え」と、灌木を部分的に刈る「筋刈り地拵え」「壺刈り地拵え」と呼ばれる省力化した地拵えもあります。

これらの作業を行うことで、植栽時に植穴を掘る際、効率的に行う事が出来る。
植栽時に枝条や残存木があれば、片付ける、移動させる手間が発生する。

また、歩きやすい環境を作ることで、安全な植栽作業が出来るようになる。




種類 概要
棚積み地拵え
横筋棚積み地拵え
等高線沿いに棚をつくる
適当な間隔で棚に隙間をつくる。
伐根を使って枝条を置く
杭を打って、枝条を置く
移動が楽
枝条散布地拵え 枝条、残存木、刈り払った雑草木を林地全体に散らす。
植栽作業の工程は増える。
枝条が分散しているため、下草刈りがやりづらい。
土壌水分の蒸発を防ぐ。
雨水による表面侵食が緩和される。
林地全体に腐植質が配置される。
巻き落とし 枝条、残存木、刈り払った草本を谷筋に落として集積する。
作業が容易となる。
植栽可能な面積が増える。
枝条や残存木が無いため、植栽や下刈りが楽になる。
ウサギ・ネズミの寝床になる。
火入れ地拵え 残存木、枝条、刈り払った草本を集めて燃やす。
植栽作業が楽になる。
下草刈りが楽になる。
野ネズミ、モグラの被害が軽減できる。
菌や線虫等、病害虫の元を焼却できる。
新芽が出るため、ネズミやウサギが食べに来るため、猛禽類の餌場になる。
両端を上から下に燃やす。
①→②、③→④
上から下に燃やしていく
⑤→⑥
翌日雨の時の夕方に行う。
風のない日に行う。
十分に乾燥した翌年の春に行う。
個人的には、火入れ地拵えが正しい地拵えと信じています。熱による土壌消毒は、連作障害から守ってきた歴史があり、このままだと、植林が数世代後には、衰弱する可能性がある。また、猛禽類を増やす意味でも、大規模皆伐、火入れによるウサギやネズミの好物の新芽を生み出すことで、狩り場の提供が可能となる。
火の有り難みを蔑ろにしている林業は、そのしっぺ返しに会う日がくるのも近い気がしている。




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