きこりの森林・林業の教科書
③生活を守る森林って何?

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森林と裸地の流出土壌の違い 表層崩壊
【表層崩壊】
表面浸食

①表面侵食☆かつての「はげ山」や畑地で多発
裸地斜面に降雨(が続くと)
→雨滴による雨撃層(クラスト層)の形成
→浸透能の低下
→地表流の発生
→掃流砂の発生/表面侵食の発生
→地表流の凹地への集中
→リル侵食(細流侵食)の発生
→ガリー侵食(溝状侵食)の発生
→(成層火山などでは大規模な侵食谷が発達)
〇林内でも局所的に表面侵食が発生することがある
・間伐されていないヒノキ林内(裸地化)
・リターや菌糸に由来する撥水性土壌
・伐出後の攪乱土壌(裸地化)
・・・通常は地表の微妙な凹凸により結局は地中に浸透
②表層崩壊(豪雨が原因の場合)
☆花崗岩系山地で(比較的)多発の傾向
・風化土壌層の崩壊
・降雨の浸透によって発生
→風化土壌層底部(基盤岩の直上)での飽和層(地下水帯)の形成(間隙水圧の発生)
→地下水面の上昇(地下水帯の発達)
(=間隙水圧の増加)
→崩壊の発生(せん断破壊)
・森林の崩壊防止効果が発揮される可能性
・根系の杭効果とネット効果
・崩壊防止効果には限界がある
・・・崩壊を抑制することができる
●山崩れの大部分は表層崩壊!
表層崩壊とは(その1)
豪雨による表層崩壊の発生
と森林による抑制メカニズム
・表層崩壊は降雨の浸透水が“水を通しにくい基盤岩”の上部すなわち、風化土壌層の底部に集積し、地下水面が風化土壌層内を上昇することによって発生する
・森林は垂直根が基盤岩弱風化層に食い込むこと(杭効果)と周囲の側根同士の絡み合い効果(ネット効果)によって風化土壌層を斜面上に維持する。
・風化土壌層底部の効果的排水システム(パイプ状水みち)も地下水面の上昇を抑える効果がある
表層崩壊とは(その2)
表層崩壊と地形
・豪雨による表層崩壊は急斜面と水が集中する凹型斜面(0次谷)に発生しやすい
☆超長期的には表層崩壊は繰り返し発生し、谷を発達させる
・0次谷に発生した表層崩壊は(特にいくつかが集中して発生した場合に)土石流化することが多い。異常豪雨時は特に注意が必要である
★これによって崩壊地の林木が流木となって渓流に流出する
表層崩壊と地質
・花崗岩、堆積岩(特に新第三紀層)の地質に多発する傾向がある
ゼロ
表層崩壊の特徴(まとめ)
・表層崩壊は降雨の浸透水が“水を通しにくい基盤岩”の上部(すなわち、風化土壌層の底部)に集積し、地下水面が風化土壌層内を上昇することによって発生する
・森林は垂直根が基盤岩弱風化層に食い込むこと(杭効果)と周囲の根系同士の絡み合い効果(ネット効果)によって風化土壌層を斜面上に維持する。<風化土壌層底部の効果的排水システム(パイプ状水みち)も地下水面の上昇を抑える効果がある>
ただし、限界がある!
・豪雨による表層崩壊は水が集中する凹斜面(ゼロ次谷)に発生しやすい<超長期的には表層崩壊は繰り返し発生し、谷を発達させる>
・花崗岩、堆積岩(特に新第三紀層)の地質に多発する
・発生した表層崩壊は(特にいくつかが集中して発生した場合に)土石流化することが多い。異常豪雨時は特に注意が必要である





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