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| 【表層崩壊】 | ||||||||||||||||
| 表面浸食 |
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| ①表面侵食☆かつての「はげ山」や畑地で多発 裸地斜面に降雨(が続くと) →雨滴による雨撃層(クラスト層)の形成 →浸透能の低下 →地表流の発生 →掃流砂の発生/表面侵食の発生 →地表流の凹地への集中 →リル侵食(細流侵食)の発生 →ガリー侵食(溝状侵食)の発生 →(成層火山などでは大規模な侵食谷が発達) 〇林内でも局所的に表面侵食が発生することがある ・間伐されていないヒノキ林内(裸地化) ・リターや菌糸に由来する撥水性土壌 ・伐出後の攪乱土壌(裸地化) ・・・通常は地表の微妙な凹凸により結局は地中に浸透 |
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| ②表層崩壊(豪雨が原因の場合) ☆花崗岩系山地で(比較的)多発の傾向 ・風化土壌層の崩壊 ・降雨の浸透によって発生 →風化土壌層底部(基盤岩の直上)での飽和層(地下水帯)の形成(間隙水圧の発生) →地下水面の上昇(地下水帯の発達) (=間隙水圧の増加) →崩壊の発生(せん断破壊) ・森林の崩壊防止効果が発揮される可能性 ・根系の杭効果とネット効果 ・崩壊防止効果には限界がある ・・・崩壊を抑制することができる ●山崩れの大部分は表層崩壊! |
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| 表層崩壊とは(その1) 豪雨による表層崩壊の発生 と森林による抑制メカニズム ・表層崩壊は降雨の浸透水が“水を通しにくい基盤岩”の上部すなわち、風化土壌層の底部に集積し、地下水面が風化土壌層内を上昇することによって発生する ・森林は垂直根が基盤岩弱風化層に食い込むこと(杭効果)と周囲の側根同士の絡み合い効果(ネット効果)によって風化土壌層を斜面上に維持する。 ・風化土壌層底部の効果的排水システム(パイプ状水みち)も地下水面の上昇を抑える効果がある |
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| 表層崩壊とは(その2) 表層崩壊と地形 ・豪雨による表層崩壊は急斜面と水が集中する凹型斜面(0次谷)に発生しやすい ☆超長期的には表層崩壊は繰り返し発生し、谷を発達させる ・0次谷に発生した表層崩壊は(特にいくつかが集中して発生した場合に)土石流化することが多い。異常豪雨時は特に注意が必要である ★これによって崩壊地の林木が流木となって渓流に流出する 表層崩壊と地質 ・花崗岩、堆積岩(特に新第三紀層)の地質に多発する傾向がある ゼロ |
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| 表層崩壊の特徴(まとめ) ・表層崩壊は降雨の浸透水が“水を通しにくい基盤岩”の上部(すなわち、風化土壌層の底部)に集積し、地下水面が風化土壌層内を上昇することによって発生する ・森林は垂直根が基盤岩弱風化層に食い込むこと(杭効果)と周囲の根系同士の絡み合い効果(ネット効果)によって風化土壌層を斜面上に維持する。<風化土壌層底部の効果的排水システム(パイプ状水みち)も地下水面の上昇を抑える効果がある> ただし、限界がある! ・豪雨による表層崩壊は水が集中する凹斜面(ゼロ次谷)に発生しやすい<超長期的には表層崩壊は繰り返し発生し、谷を発達させる> ・花崗岩、堆積岩(特に新第三紀層)の地質に多発する ・発生した表層崩壊は(特にいくつかが集中して発生した場合に)土石流化することが多い。異常豪雨時は特に注意が必要である |
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