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林政の歩み
【戦後の林政】 (1)林業構造改善事業 昭和39年(1964年)の林業基本法に基づいて開始された事業 森林組合を中心に資本装備を充実し、日本の民有林が抱えている林地保有の零細・分散性・生産基盤の劣弱生を改善することを目指した。 林道を始めとする生産規模案の整備、機械施設等の資本装備の高度化が求められた。この当時は、刈り払い機、チェーンソーが主体。これに資材運搬用のトラック、作業班員用の人員輸送車であった。その後、間伐材の運搬のための林内作業車、木材運搬用の大型トラック、作業道(路)開設のためのトラクターやユンボ(油圧ショベル、パワーショベル)等の重機や高性能機械が導入。 昭和55年~平成6年(1980~94年)の新林業構造改善事業で、国産材供給体制を確立するために、比較的大きな森林組合に木材加工施設として、製材工場(当初は、小径木加工、その後は中径木・中目材)が設置される。 |
(2)流域管理システム 昭和55年(1980年)頃を境に、木材価格の下落が始まり、産業としての林業が衰退しはじめた頃、森林・林業の活性化を図るために、素材生産の場である川上と、加工・消費地である川下が、協力関係になるために、川下部門、製材や住宅産業に力を入れる。 流域管理システムは、全国を158の森林計画区(流域)に和気、各流域における森林整備、木材供給を総合的に推進することとなった。 森林管理、林業生産、木材流通のスケールメリットを出すことが目指した。 |
(3)森林・林業基本法の制定 平成13年(2001年)に林業基本法が改正され、「森林の有する多面的機能の発揮」と、「林業の持続的かつ健全な発展」を基本理念に掲げ、5年毎に森林・林業基本計画を策定することとなった。 林業政策が、木材生産から環境、公益性を重視する路線に転換した。 |
(4)国産材新流通・加工システム 拡大造林の時に植栽された木が収穫・利用時期を迎えたにもかかわらず、林業の低収益性によって山林の手入れは放棄されがちとなり、山林が荒廃しはじめた。 このため、間伐に力を入れながら、森林を管理し、国産材を利用する必要が生まれた。 この状況に対し、これまで余り利用されてこなかった低品質材(B材、C材)の利用を図るため、国産材の新流通・加工システムが登場します。具体的には、集成材、合板への国産材利用の推進。 この時期は、北欧産のホワイトウッドの集成材が建築材市場を席巻(背景にユーロ安)していたが、国産杉のラミナ生産が開始され、スギの集成材の生産・利用が始まった。 |
(5)新生産システム 国産材新流通・加工システムで、B材、C材の利用が進んだため、A材を安定的に供給することを目的に、平成18年から平成22年(2006~2010年)に、新生産システムとして。全国に11のモデル地域を選定して、年間原木消費量数万から十数万m3の大規模製材所を建設した。 これらは、川下の利益を川上に還元するための政策といえる。 カナダのBC州、チリ、中央ヨーロッパでも針葉樹生産地で製材工場の規模拡大が起きていた。 問題は、国産材を大量に消費する需給の調整機能を持った存在が無かったこと。 良かった点は、ロータリーレースの技術改良で、スギの合板が登場したこと。 |
(6)森林・林業再生プラン 民主党政権がマニフェストに従って、平成24年(2012年)に作られた政策。 森林所有者(零細所有者も含め)が責任を持って森林の整備を行うこと、国産材の自給率を50%にするために、住宅や公共施設に使うこと、100万人の雇用を打ち出すことをうたった。 |