きこりの森林・林業の教科書
②日本の森林は誰のもの?

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土地問題(不在村地主・所有者不明)

所有森林に対する関心の低下等、相続による所有権の移転登記が忘れられている事から、所有者が不明な森林が増加している。

平成29年(2017年)に実施した地籍調査では、筆数ベースで全体の22%、林地については28%が通知が取れなかった。平成17年(2005年)の農林業センサスでは、不在村地主が私有林の1/4を占めており、このうちの4割(全体の1割)が、都道府県以外に居住するものとなっている。


境界が不明の場合
 隣との林地の境界についての情報が引き継がれないまま土地を相続することもあり、また、事情を知っている人が高齢で現地に行けない、境界を明確にするための費用が捻出できないなど、境界不明となっている場合も増えている。
 また、境界を明確にするために、隣接する森林所有者と立ち会う必要があるが、所有者情報を持っていないことや、遠方にいるため、足を運ばないため、確定できない場合もある。

 国土調査法による地籍調査では、宅地は51%、農用地は70%となっているが、林地は45%と、整備が遅れている。
【林地台帳制度】

<林地台帳の作成主体>
森林所有者等に対する指導・監督を担う行政主体である市町村が作成します。

<林地台帳の対象となる森林>
地域森林計画の対象となっている民有林が対象となります。(地域森林計画の対象森林は、都道府県が森林法第5条に基づき定めています。)

<台帳の公表・情報提供>
市町村が、森林所有者や境界等の情報を一元的にとりまとめ、台帳情報の一部を公表するとともに、森林組合や林業事業体等の森林整備の担い手に提供することにより、施業の集約化や適切な森林整備のために活用することを目的としています(公表については個人の権利利益を害するものを除いて実施します)。

林地台帳の整備によって、直ちに境界が確定するものではありませんが、担い手が所有者情報などをワンストップで入手できるようになり、次のような効果が期待されます。
(ア)森林の集約化が進み、間伐等が促進されることで、森林が健全化するとともに、地域の雇用創出にもつながる。
(イ)地域材を利用する産業が活性化し、地方創生につながる。
(ウ)所有者・境界が明らかになることで、伐採・造林の指導監督や災害復旧事業・公共事業等が円滑化につながる。


<林地台帳制度の運用>
林地台帳制度は、平成31年4月から制度運用が開始されました。今後は、森林の土地所有者届出や所有者からの修正申出、市町村による調査等により徐々に精度を向上することとしています。

<林地台帳制度関係法令>
森林法・森林法施行令・森林法施行規則




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