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【基礎情報】 木炭とは、薬剤、防腐剤、防蟻剤、接着剤、塗料等を使用していない木材で製造された炭のことです。 【木炭の定義】
木炭の形状
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【炭の歴史】 最初は、「伏せ焼き」だと言われています。地面に木を積み重ねる場合、穴を掘って木を詰め込む場合など、方法は違いますが、共通しているのは、この上に土や砂で覆うことです。下から火を入れて、蒸し焼きにします。ただ、最初は、土や砂で覆うこと無く作っていたとのこと。
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【日本での利用の歴史】 中国地方で砂鉄が取れた関係で、たたら製鉄の過程で炭を利用。炭窯の遺跡も、製鉄遺跡とセットで存在。 天平勝宝4年(753年)に開眼法要が行われた奈良の大仏を鋳造する際に、800トン近くの木炭を利用したとのこと。炭焼き窯で炭を作るのは、仏教の伝来とともに伝わったと言われており、平安時代の遣唐使などが、白炭の技術を浙江省あたりから導入したとのこと。 黒炭は、鎌倉時代の刀剣や甲冑作りを進める中で、生産技術が発達します。鉄の需要に合わせて、炭を大量生産するために効率化を図った結果です。その結果、炭の取引所も開設され、木炭業者の組合として、「炭座」が、鎌倉七座の一つとなります。他は、絹座、米座、檜物座(曲げ物)、千朶積座(薪・雑貨)、相物座(干し魚・塩魚)、馬商座(博労座:馬の病気、売買、鑑定)です。 室町時代に茶の湯が始まると、茶道に合う炭質が求められ、実用だけではない墨作りも始まります。 江戸時代に入ると、各藩の財政を支える有力な資金源として、炭が利用されます。各地で炭のブランドが始まります。
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【木炭が出来るまで】 炭窯を加熱すると、窯内の温度が100℃になると、木材の水分が蒸発する。この時、絶乾状態になっている。 150℃付近から、木材の色調が、褐色から黒褐色に移行。200℃を超えると黒色に。 200℃になると、木材成分のリグニンの熱分解が始まる。 その結果、H2O、CO2といった不燃焼ガスや、CO、CH4(メタン)、C2H4(エチレン)、H2、アルデヒド、ケトン、有機酸などの可燃性ガスが発生する。250℃あたりから加速しはじめ、300~350℃の時にガスの放出が増大する。 木材の熱分解速度は200~400℃で、木材の表面はドロドロの液状になっている。 500℃以上になると炭素の結晶化が始まり、木炭特有の細孔構造が発達する。 このため、400度前後で出来た炭には、細孔構造が無いため、燃料以外の使い方が出来ない。 |
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