きこりの森林・林業の教科書



①日本ってどんな国?

火山・地震について 地質・土壌について 植生について 動物について 日本人について
はじめに

 日本のことを、JAPANといいますが、その語源は、東方見聞録を作る中で、ヴェネティア商人のマルコポーロが、Zipangという国が有り、莫大な金を産出し、財宝に溢れていると紹介したことに始まります。マルコポーロ自身は、日本に来たことはありませんが、訪問先の中国かインドで聞いた話だそうです。世界遺産に登録されている奥州平泉の中尊寺金色堂は、金ピカです。日本国内で今なお金を産出しているところはありますが、火山活動と関係があるのではといわれています。
 
 日本には、地球上に存在する14枚の大きなプレートのうち、太平洋プレート、北アメリカプレート、ユーラシアプレート、フィリピン海プレートの4枚の上にある国です。このため、プレートの移動に伴い、活発な地震活動、火山活動の多発地帯になっています。

 一方、温泉を始め、火山灰を含む土壌のためミネラルの豊富な大地になっています。

 また、緯度経度は、北緯20度から45度、東経122度から153度となっており、大部分は、温帯に位置していますが、亜寒帯から亜熱帯まで様々な動植物のいる国になっています。そして、四方を海で囲まれており、暖流と寒流がぶつかる場所でもあります。潮境と呼ばれる寒流と暖流のぶつかる場所は、世界4大漁場の一つ、太平洋北西部海域になっています。
 海に四方を囲まれていますが、太平洋側と日本海側、内陸部に、瀬戸内海(場合によっては北海道と南西諸島)の4つに気候を分類することが出来ます。それは、季節風の影響で、6月に冷たい大気と暖かい大気が日本列島上空でぶつかり、1ヶ月以上雨が降る梅雨がある。7月から9月にかけ、台風がやってくる。そして、冬には雪もあるため、日本は年間の降水量が多い。なお、気候に影響するのは、緯度だけでは無く、山脈や山地によって、太平洋側と日本海側では、気候が大きく異なっています。

火山・地震について

火山
 日本には、2017年時点で、111の活火山(過去1万年以内)があります。第四紀火山(第四紀(約260万年前から現在までの時代に活動した火山)が、440近くある国です。世界でも、火山有数の理由は太平洋をかこんでいる「環太平洋火山帯」に属しているからです。

気象庁の資料を再編集

 日本の国土面積は、地球の0.07%しかないのにもかかわらず、活火山の割合は、7%もあります。これは、日本の置かれている位置に関係しています。プレート同士の摩擦で地震が起こる一方、摩擦の結果、岩石がドロドロに溶けてマグマになります。このマグマが火山から地方に噴き出しています。


固形のマントルが、圧力が低下したり、温度が高くなることで、マントルの一部が溶け、マグマになります。生まれたマグマは、周りの岩石より比重が軽いため、上に移動し噴き出します。地表から5~20kmの所に、マグマが一度止まります。一気に地上に出ません。大気圧が上から押さえるからです。ここがマグマ溜まりです。

周囲の水は熱によって水蒸気になります。この水蒸気を取り入れたマグマは、体積を増やしていきます。マグマに水が取り込まれると、その体積は1700倍になるとのこと。この膨張したエネルギーで一気に地表に押し出すのです。それが噴火です。


マグマが出来るメカニズム


日本の火山分布図

詳しい情報は、「20万分の1日本火山図

火山と地形
タイプ 特徴 代表的な山
成層火山
(複成火山)
ほぼ同一の火口からの複数回の噴火により、溶岩や火山砕屑物などが積み重なり形成された円錐状の火山のこと 富士山
岩木山
鳥海山
楯状火山 火山を横から見たときに、西洋の盾のようにすそ野が広がった平べったい形をしている。
玄武岩のような流動性の高い溶岩が流れ出てできた火山
月山(山形)
カルデラ 火山の活動によってできた大きな凹地のこと 阿蘇山
屈斜路湖
溶岩円頂丘 火山から粘度の高い水飴状の溶岩が押し出されてできた、ほぼドーム状の地形 雲仙普賢岳
樽前山(北海道)
火山砕屑丘
砕屑丘
火砕丘
臼状火山
火山活動で噴出した火山砕屑物が火口の周囲に積もり、丘を形成したものの総称 大室山(東伊豆)
三原山
火山岩尖 火道と呼ばれるマグマの通り道に粘性の高い溶岩が地上に出る前にほとんど固まって、それが下から押し出されて塔状になったもの 昭和新山
マール 水蒸気爆発またはマグマ水蒸気爆発により形成された円形の火口 目潟(男鹿半島)
鰻池(指宿)
火砕流台地 火砕流が流れた跡に残される火砕流堆積物で構成される台地。
台地面は極めて平坦かつ緩傾斜、縁は急崖になっていることが多い
シラス台地
爆裂火口
(爆発火口)
火砕丘を持たない火口地形。
火砕丘を持たないため、地面がえぐられたような形状をしている。
登別温泉・地獄谷
新湯(那須塩原)
単成火山 一回の噴火でその寿命を終わってしまう火山 小値賀島(長崎)
大室山(東伊豆)
上野火山(岐阜)


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 国別火山の分布数
順位 国名 火山数
1 アメリカ 246
2 チリ 240
3 ロシア 192
4 インドネシア 147
5 日本 111
6 エチオピア 77
7 PNG 73
8 アイスランド 60
9 アルゼンチン 57
10 ニュージーランド 53
11 フィリピン 53
12 エクアドル 49
13 メキシコ 46
14 中国 39
15 イタリア 37
16 ボリビア 37
17 グアテマラ 33
18 カナダ 32
19 カリブ海諸国 32
20 ケニア 31
21 バヌアツ 25
22 トルコ 25
23 タンザニア 23
24 コロンビア 23
25 ニカラグア 23
26 トンガ 21
27 ペルー 21
28 コスタリカ 21
29 ソロモン 16
30 イラン 15
31 台湾 13
32 サウジアラビア 13
33 フランス 13
34 オーストラリア 13
35 ベトナム 12
36 ギリシャ 12
37 イエメン 11
38 シリア 11
39 ウガンダ 9
40 アルメニア 9
41 フィジー 8
42 マレーシア 8
43 エリトリア 8
44 モロッコ 7
45 イエメン 7
46 朝鮮半島 6
47 カメルーン 6
48 チャド 6
49 コンゴ民主共和国 6
50 ジョージア 6
51 カンボジア 5
52 モンゴル 5
53 ミャンマー 5
54 タイ 5
55 英国 5
56 アゼルバイジャン 4
57 ドイツ 4
58 ルーマニア 4
59 スペイン 4
60 パナマ 4
61 リビア 3
62 ハンガリー 3
63 スロバキア 3
64 ドミニカ共和国 3
65 アフガニスタン 2
66 パキスタン 2
67 ギアナ 2
68 ナイジェリア 2
69 ハイチ 2
70 インド 1
71 ヨルダン 1
72 ラオス 1
73 ジブチ 1
74 ルワンダ 1
75 サントメ・プリンシペ 1
76 セネガル 1
77 チェコ 1
78 オランダ 1
79 ブラジル 1
volcanodiscovery.comより抽出
ここでは、日本は、270となっている。

地震

 地震は、プレートが動くことで岩盤に蓄積された歪みを開放するために、断層運動として岩盤が破壊される現象のことです。また、地下の岩盤が周囲から押される、もしくは引っ張られることによって、ある面を境として岩盤が急激にずれる現象です。この岩盤の急激なずれによる揺れ(地震波)が周囲に伝わり、やがて地表に達すると地表が揺れる。
地震のタイプ メカニズム イメージ図
プレート間地震 海のプレートと陸のプレートが接する場分が歪みで耐えられなくなると、巨大な断層面として陸のプレートの先端が跳ね上がる断層運動による地震
沈み込むプレート内の地震 プレートの内部で発生する大規模な断層運動による地震
陸域の浅い地震 プレート運動による間接的な歪みが岩盤に蓄積され、地下数キロから20km程度までの比較的浅い部分で発生する断層運動による地震
火山活動に伴う地震 火山の噴火の数ヶ月前から発生するマグマの移動や、マグマ起源のガスの上昇、地下水の移動に伴う群発地震。
低周波地震については、まだ解明されていない。

1年間における世界と日本の地震頻度
マグニチュード 世界 日本 日本の割合
M8.0以上 1 0.2 20%
M7.0-7.9 17 3 18%
M6.0-6.9 134 17 13%
M5.0-5.9 1319 140 11%
M4.0-4.9 13000 900 7%
M3.0-3.9 130000 3800 3%
2001年~2010年の気象庁の震源データ
19000年以降のUSGS(アメリカ地質調査所)

M7.0以上の地震は、90年間で900回ほど発生しているが、このうち10%が日本で発生しているとのこと。


世界の地震分布図

気象庁が作成したUSGSのデータを再編集

日本では、M8.0以上は、10年に1度の頻度で発生します。

ある100日間の地震の発生場所

100日間の観測回数 376 回
M3.0以上 29回
最大 2020年12月1日M6.6


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