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試験計画と取りまとめ |
古典的な森林調査方法 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
①航空写真 -計画準備- (a)既往の航空写真及び基本図の利用が可能な場合 (1)航空写真について 密着写真:詳細な林相判読の場合は、縮尺1:2万 伸し写真:縮尺1:2万より小縮尺の場合、伸し写真が必要 航空写真標定図:航空写真の主点位置図、撮影コース位置図 航空写真の撮影諸元(撮影縮尺、撮影年月日、撮影高度、撮影カメラの焦点距離) (2)基本図について 詳細な林相図を作成する場合、縮尺1:2万が必要 その他、調査計画や調査結果の整理用として必要な地図 (縮尺1:50万、1:20万、1:5万の地勢図、地形図、道路図) (b)新規の航空写真撮影や森林基本図の図化が必要な場合の計画及び収集資料 (1)航空写真撮影のための計画 ・撮影全体の計画(撮影諸元、全体的なスケジュール) ・撮影予算、撮影機関の選定 ・撮影体制(撮影機の運航、撮影要員、写真の処理施設、撮影作業の管理、成果品の検査) (2)森林基本図の図化のための必要資料 ・既存の各種地勢図、地形図(縮尺50万分の1、20万分の1、5万分の1等) ・既存の空中三角測量成果 ・既存の基準地測量成果、水準点成果 ・地籍図簿 ・道路台帳 ・森林基本図の凡例、注記に関する準拠資料 -撮影- 縮尺は2万分の1 (a)撮影の具体的な計画において必要な事項 ・撮影面積 ・撮影縮尺 ・撮影コース数 ・写真枚数 ・カメラ焦点距離 (b)撮影作業として決定しておくこと ・撮影作業者(操縦士、撮影し、整備士) ・使用機材(航空機、航空カメラ、レンズの種類と焦点距離) ・撮影基地及び写真処理施設 ・撮影作業の管理、成果品の検査(撮影日誌、気象条件の常時チェック、写真上の雲量、写真のオーバーラップ、サイドラップ等) (c)撮影成果 ・データ(ネガファイル) ・密着写真 ・伸し写真 ・航空写真標定図 |
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②森林基本図の図化 (1)記載事項 森林基本図は用途が廣田目、他の行政機関と記載事項を協議して決める必要がある。 (2)図化作業 森林基本図の基本的な図化作業について、次の仕様を決めておく ・図化面積 ・図化縮尺 ・図化面数 ・仕様図化機 ・等高線間隔(主曲線、間曲線) ・図化精度 計画準備において、既存の基準点、水準点測量成果、空中三角測量成果が無い場合、新たにこのための測量作業が必要となる。 図化作業と並行して、航空写真判読では不明瞭な地類の種別や地類別、集落、河川の現地名称や位置などの現地確認調査が必要。 (3)図化成果 ・森林基本図第1原図 ・森林基本図第2原図 ・森林基本図陽画焼 |
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③森林調査 -森林予備調査- (1)林相図作成基準(事業区、林班の区分基準) ・事業区 林業の場合、将来の森林の管理、開発に当たって一地域として扱った方が良い地域を事業区とする。事業区面積に対は、その管理、開発体制や地域の実情に応じて、区分面積を定める。 ・林班 森林の取り扱いのための基本的な単位で、小流域界や小河川の右岸、左岸、一つの纏まった斜面を林班とする。標準的な区分面積を定めておく。500~1500haが適当。 (2)林相・林型区分基準 ・主な区分方法
・予備判読と区分基準の現地検討 予め林相・林型区分基準案を作成しておき、これに従って航空写真の判読・区分を行う。 既存の出来るだけ大縮尺の図面に予備判読として林相概況図を作成する。 主要な区分として、現地踏査、空中偵察や試験的なプロット調査によって区分基準案の妥当性を検討し、最終的な区分基準を作成する。 ・土地利用区分 未開発地域での森林開発計画において、単に森林のみで区分するのではなく、土地利用の現況も区分しておくことが重要。 ・区分の種類・ランクの大きさ 林相・林型区分及び土地利用区分のそれぞれの基準は、実際の区分作業の技術的制約や作業効率の面からも、それらの区分の種類やランクの大きさを考慮する必要がある。 -標本調査法(標準地調査法)- ・林相・林型区分基準(樹種、人為的、樹高、密度などによる区分) ・標本調査法または標準地調査法(標本抽出法、プロットの形状、プロットの面積、標本数など) ・調査事項(地況としての地形、斜面方位、斜面傾斜、土壌等、林況としての樹種、上下層別、DBH等) ・工程調査 |
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④林相図の作成 ・記載事項(行政界、標高、事業区、小班、土地利用等) ・事業区、林班などの区分 ・林相・林型の判読区分 ・林相図の作成 |
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⑤面積測定 ・点格子板、プラニメーター、座標測定装置、自動図形処理装置(デジタイザー) |
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⑥森林本格調査(標本調査) 森林予備調査の結果や林相図及び面積測定結果を用いて、調査対象地の森林資源量を標本調査または、標準値調査によって本格的に調査するため、ここでは森林本格調査という。 -サンプリング設計- (a)総蓄積推定のための目標精度 調査の目的、期間、予算などを総合的に判断し、目標精度を決めておく。 目標精度とは、標本調査の場合の信頼度(信頼水準)と誤差率(標準誤差率)のことをいう。総蓄積が、どの林相、林型武勲、樹種、DBH●●cm以上、樹高●m以上などをどの立木なのかを決めておく。 (b)標本抽出法 予備調査の検討結果により決定する。 (c)標本数 予備調査での検討結果により決定する。標本の割り当てによっては、若干の標本数の増加が生じる。 (d)標本プロットの形状と面積 予備調査での検討結果により決定する。 (e)標本の割り当て 層化無作為抽出法の場合 ni 層別標本数 Ni 層別面積/プロット面積 Si 層別のha当り材積の標準偏差 n 標本数合計(抽出標本数) (f)標本の配置 標本の対象地の森林に無作為に配置するため、林相図を用いた格子線法を採用する。 ・格子線の設定 対象森林の上に落ちる格子点数(M)に対する標本数(n)の割合を標本抽出率(R)という。 このRが概ね5%以下になるように格子線を設定する。 格子線の間隔(d)mは、対象森林面積(A)haと格子点数(M)によって求める。 格子線間隔は、図上に格子線を引く都合上、区切りの良い数値(50m、100m毎)を用いる。 この感覚に従って、格子線を図上に東西南北の2方向に引き、各格子線に番号を振る。 ・格子点の抽出 対象森林上の全格子点を、予め林相・林型別に、かつ格子点番号の若い順に整理する。 乱数表により林相、林型別の標本数に達するまで、順次格子点を抽出していく。 抽出された格子点が、現地調査で極めて困難な地点である場合は、再度乱数表を用いて抽出し直す。 (g)現地プロット調査(標本調査)の作業計画 現地調査日程表 要員計画表 運航表 プロット調査計画図(縮尺1:5万または1:10万等) 資機材リスト 宿舎、生活物資、輸送に関する計画表 -現地プロット調査(標本調査)- (a)空中偵察及び現地踏査 現地でのプロット調査を実施するにあたり、予め作業計画通りに実行できるかを現地確認する。 現地確認する場所や調査予算によるが、ヘリコプター(ドローン)を利用すれば効率よく行える。 (b)標本調査 サンプリング設計によって航空写真及び林相図上に記入された測量線の方位と長さに従って測量し、目的のプロット設定に先立って主要な測量杭の位置、杭に記入する番号・記号を定めておく。 (c)サンプリング設計の見直し サンプリング設計において計画された標本数は既に安全率を加味したものであるが、プロット調査の二度手間を防ぐ意味で、現地プロット調査の途中段階でその妥当性を確認しておく必要がある。 目標精度が十分満たすことが確認した上で標本調査を終了する。 (d)その他の標準値調査 林分材積判定基準表の作成のための補助的な標準地、あるいは二次林にゃ特定林分の標準地は、基本的には標本調査と同様の方法で調査する。それらの調査目的や調査期間に応じて、プロットや形状やプロット面積を変えることも考える。林木の形状係数が決まっている場合は、ビッターリッヒ法が効率的である。 -プロット調査結果の取りまとめ- 調査の目的、特にこの森林調査の結果から何を見いだし、それによって何をどのように実現するかによって、この取り纏めの方針が決まる。 (a)出現樹種リスト 地方名、学名 (b)プロット調査結果一覧表 プロット別の平均立木本数、DBH、平均樹高(枝下高、全幹高)、林分材積等 (c)プロット毎の各種分類集計 プロット毎の直径階別あるいは樹種区分(有用樹種か否かの区分)別、形質別の材積あるいは本数、またはそれらの比率 (d)林相・林型別の平均 林相・林型別の平均立木本数、平均DBH、平均樹高、林分材積 林相・林型別の各種分類集計の平均 (e)直径階別の立木本数 プロット毎 林相・林型毎 全プロットの合計(特別な標本、標準地を除く) (f)樹種構成 樹種別の材積及び立木本数、またそれらの比率 プロット毎 林相・林型毎 全プロットの合計(特別な標本、標準地を除く) -総蓄積の推定- 標本調査結果から得られるデータを利用して、対象森林の総蓄積を推定する。 -林分材積判定基準表の作成- 最終的に作成する森林調査簿は、小班毎の各種データを集積したものであり、小班毎のha当り材積やそれによって計算された森林蓄積などが記載されなければならない。 |
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⑦材積表の検定及び作成 現地プロット調査結果での材積に関する集計計算にどの材積表(立木幹材積表)を用いるかは、対象森林の蓄積推定に大きな影響を及ぼします。 既存の材積表が問題なければ、引き続き利用するが、その対象森林への適合性に不安がある場合は、検定を行い、その結果によっては、修正ないしは新たな材積表の作成を行う必要がある。 -区分求積調査-
-既往材積式の検定- (a)既存の材積式による推定値と実材積の比率 サンプル木の樹高や胸高直径を既存の材積式に代入して得られる材積を推定値とし、これと実材積の対比を表またはグラフにして調べる。 (b)2つの標本平均の差の検定 推定値と実材積を2つの標本と見なし、それぞれの平均値が等しいという仮説を立て、その仮説が正しいか否かを検定する。 (c)推定値と実材積の相関 相関関係を回帰式によって求める。その相関係数(重相関係数)と標準偏差あるいは標準誤差率によって、既存の材積式の制度を検定する。 (d)推定値と実材積の相関における回帰係数と回帰定数の有意差検定 回帰式がV=a+bx(x:既存の材積式による推定値)である場合、a=0、b=1という仮説、既設の材積式によって正しく実材積(近似値)が推定できるという仮説に対する有意差検定を行う。 (e)実材積とDBH及び樹高との相関 サンプル木のデータによってその実材積と。DBH(d)及び樹高(h)の相関関係を次の式で求める。 v=a+bd2h v=a+bd2h+c(d2h)2 v=adbhc すなわち、log a=a+b log a2+c log h 既存の材積式と同じ形の式を作成する。 その相関係数(重相関係数)と標準偏差あるいは標準誤差率を調べ、既存の材積表と比較する。 (f)既存の材積式と(e)による材積質の有意差検定 (e)で求められた回帰式(材積式)が既存の材積式と異なる式であるかを有意差検定で求める。 -材積表の作成- 検定結果によって、既存の材積式が対象の森林に不適合という結果が出た場合、新たな材積式を求めなければならない。 DBHと樹高の刻みを定め、各々の値を材積式に代入し、DBHと樹高に対する材積を産出して材積表を作成する。 |
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⑧森林調査簿の作成 森林調査簿は、対象森林の管理・開発のために必要な基本的データを集積したものです。このデータは林相図との対比によってフィードバックできる。 -蓄積推定結果の判定- 小班毎の蓄積をその面積とha当りの材積によって求め、これを林班毎、事業区毎に集計し、最終的に対象地の森林面積を求める。 -記載項目- (a)位置に関する情報(①事業区名または番号:②林班名または番号:③小班番号) (b)面積に関する情報 小班毎の面積 (c)林況に関する情報 林相の種類 林型の種類 ha当り立木本数 ha当り材積 森林蓄積 生長量 成長率 法的規制の種別(保安林、国立公園等) この他、針広混交林の場合、その混交率、針広別蓄積 (d)土地利用に関する情報 (e)地況に関する情報 地形 斜面方位 斜面傾斜 起伏量 谷密度 地質 土壌(土壌型、土壌深度等) (g)その他 土地の所有者、管理者等 -森林調査簿の作成- これらのデータを小班毎に整理、事業区、林班、小班の番号五余に記載して森林簿を作成する。
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地況に関する調査法 地形:区分基準例
斜面方位:区分基準例
斜面傾斜:区分基準例
起伏量:区分基準例
谷密度
②一定面積の方眼に分け、各方眼の四辺が横切る谷の総数を数える。 (方眼四隅あるいは四辺の上の河川は0.5として数える) ③一定面積の方眼に分け、各方眼内に入る河川の本数を数える。 |
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