きこりの森林・林業の教科書

目次

④生活するための森林って何?
 林業経営の話、里山の話
  木材生産の今と昔 日本の林業の問題
  薪炭林経営だった頃の話
  バイオマスエネルギーの話
  特用林産物の話
  林業経済史

里山の利用の歴史

江戸時代
里山の利用=肥料
水田の肥料は広葉樹の若枝を田植え前に鋤込む「刈敷」が中心。

水田生産力
奈良時代末期から平安時代初期 1t/ha
江戸時代 2t/ha


水田の天然養分供給力
玄米1.5t/haの収量を上げたときの水稲の部位別窒素吸収量
玄米14.9kg、籾殻1.6kg、藁10.2kg、根5.4kg (計32.1kg)
長期連用水田における無機能窒素放出量
籾殻1.5kg、藁9.4kg、根5.0kg、雨・灌漑水30.0kg、窒素固定20.0kg (計65.9kg)
窒素固定は、藍藻や光合成細菌の固定する窒素
水稲の吸収する窒素量
33kg=1.54t/haの玄米生産に相当
(稲の窒素利用率50%)

窒素補給分50kgとした場合
森林のリターは、4~5haの里山が必要

堆肥材料供給の場として必要な林地面積
温帯常緑
針葉樹林
温帯落葉
広葉樹林
リター乾物(t/ha・年) 4.6±1.4 4.1±1.0
リターの中の窒素量(kg/ha・年)
堆肥化過程で窒素が30%ロスされると仮定
33±13 45±17
堆肥化後の窒素残量(kg/ha・年)
堆肥からの無機能窒素放出量を40%に仮定
23 32
50kg/haの無機能窒素を放出させるのに必要な林地面積
窒素利用率を50%と仮定すると、50kg/haの窒素供給増で1.2t/ha増収
5.4 3.9
堤利夫(1987年)

三富新田のケース
1戸あたりの土地面積5町歩
  採草地
造林地
内訳 2町1反
2.1ha
2町9反
2.9ha
5町歩
約5ha
2町9反は馬一頭で耕せる面積
ここは、水田ではサツマイモ栽培

化学肥料の登場で、5t/ha(2020年の時点5.33t/ha)





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